平成11年9月定例会（厚生環境委員長報告）

平成11年9月定例会　厚生環境委員長報告（10月14日）

委員長　村松　二郎

　厚生環境委員会における付託案件の審査経過並びに結果について、御報告申し上げます。

　まず、環境生活部関係として

1. 原子力防災体制については、茨城県東海村で起きた臨界事故での初動体制の遅れが指摘されているので、通信連絡網を点検するとともに避難訓練の強化を図るべきとの意見。
2. 環境影響評価条例に関連して
   • 条例の運用に当たっては、野生生物の生息状況等の自然情報が不足していることにより、公聴会等で見解の相違による混乱を招くことが危ぐされるので、事業者及び住民に対し県が有する自然情報を積極的に提供すべきとの意見。
   • 対象事業の規模を定める規則の制定に当たっては、事業を分割することにより対象事業から逃れて実施することが懸念されるので、全体計画で評価が行われるよう検討すべきとの意見。
   • 環境影響評価審査会の委員選任に当たっては、学識経験者のみで構成することとしているが、住民の意見も反映させる必要があるので、公募による住民からの委員も加えるべきとの意見。
3. 新潟県ごみ処理広域化計画については、リサイクルの推進などによる近年のごみ減量化の流れの中で広域化による効果が疑問視されているので、市町村単位のごみ処理に向けた見直しを行うべきとの意見。

　次に、福祉保健部関係として

1. 介護保険に関連して、
   • 要介護認定によりサービス対象外となる特別養護老人ホームの入所者については、5年間の経過措置後には退所せざるを得ないことから、市町村に対し受入施設の整備などの対応を進めるよう指導すべきとの意見。
   • 介護保険の対象となる家族介護については、同居家族を介護する時間が全勤務時間の2分の1を超えないことが条件となっているが、介護家族の状況や地域でのニーズの実態などが不明確であるので、実情に対応した運用が図られるよう早急に国に要望すべきとの意見。
   • 居宅サービスについては、サービス水準や供給量の確保に事業者としての市町村が重要な役割を果たすと思われるが、いまだ市町村からの申請件数が少ない状況にあるので、市町村の参入が図られるよう指導すべきとの意見。
2. 高齢者の健康づくりの推進に当たっては、一人当たり老人医療費の市町村格差が大きいことから、生活環境や食習慣などの地域ごとの要因を解明し、効果的な方策の普及に努めるべきとの意見。

　次に、病院局関係として

1. 加茂病院の経営改善計画に関連して
   • 病院局が示した経営改善計画については、依然として病床利用率が高い水準にあることに加え、医師の確保を中心とした診療体制の充実が経営改善に有効であるので、計画を撤回すべきとの意見。
     　また、地元住民の反対運動が起こっていることから、改善計画を見直し、住民の合意形成に努めるべきとの意見。
     　一方、県立病院の存立のためには、民間病院等が懸命な経営改善努力をしている中にあって、一般会計からの繰入れに頼るだけでなく経営努力も必要であるので、計画どおり実施すべきとの意見。
   • 経営改善策については、高齢化社会における医療ニーズに対応した療養型病床群の導入や、地元の意向を踏まえての市民病院への転換も検討すべきとの意見。
2. 旧県立中央病院跡地の水銀汚染土壌については、調査を重ねるごとに汚染土壌が増えている状況にあるので、住民不安を払しょくするためにも、徹底した調査と完全な処理を行われたいこと。

　以上が、審査の過程で述べられた主なる要望・意見の概要であります。

　次に、議案採決に先立ち、各党党議結果の報告を求めたところ、自由民主党、社会民主県民連合、新潟みらい、無所属松川委員からは、全議案いずれも原案賛成。日本共産党からは、第120号議案については、無駄な大型開発である万代島再開発の費用が計上されていることから、第140号議案については、入学料の値上げであり県民負担が増えることから、それぞれ反対。その他の議案については、いずれも原案賛成というものであります。
　次いで採決を行い、全議案とも原案のとおり可決または承認すべきものと決しました。

　次に、請願・陳情の審査結果について申し上げます。
　請願第12号については、提案者の撤回申出を承認。
　陳情第18号及び継続中の陳情平成11年第12号については、継続審査。
　陳情第20号については、要望事項に介護保険制度の主旨にそぐわない個所があるため、不採択すべきものと決した次第であります。

　以上をもって、報告といたします。

平成11年9月定例会（委員長報告）

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