盛土総点検の結果（速報）をお知らせします

　静岡県熱海市で発生した土石流災害を踏まえ、令和3年8月11日付けで国からの依頼に基づき、盛土総点検を実施した結果、無許可かつ盛土の構造を詳細に調査するなど今後の対応が必要となる盛土を確認しました。

　いずれの盛土も直ちに土砂災害につながる恐れのある変状等は確認されておりません。

 

1　盛土総点検の概要

　盛土による災害防止のため、近年※形成された盛土について総点検を行うもので、二つの段階で行いました。

　※概ね2000年以降で把握可能なもの

（1）点検箇所の抽出（盛土の把握）を机上調査により実施

　・許可・届出資料等から確認した盛土

　・盛土可能性箇所データ（国土地理院提供）等から推定される盛土

　・住民からの通報等から把握した盛土　など

（2）抽出した盛土を書面及び現地にて目視点検を実施

（点検の観点）

　・許可の手続きが行われているか

　・手続き内容と現地の状況が一致しているか

　・災害防止の必要な措置が取られているか

　・廃棄物の混入など禁止事項の確認

 

2　盛土総点検の結果（11月29日現在）

盛土点検総数		1,132箇所
	ア　許可手続きが行われていなかったが、すでに許可済みの盛土	1箇所
	イ　許可を受けていたが、禁止事項が確認され、是正指示済みの盛土	1箇所
	ウ　無許可でかつ盛土の構造を詳細に調査する必要のある盛土	1箇所
	エ　無許可でかつ継続して経過観察を行う必要がある盛土	1箇所

 

ア　許可手続きが行われていなかったが、すでに許可済みの盛土（別紙1）

（1）盛土位置：佐渡市羽二生

（2）該当する法規制等：森林法

（3）盛土の状況

　・森林作業道の開設に伴う盛土（延長1,053m、高さ1.5m未満）

（4）盛土の行為者

　　　森林所有者

（5）対応

　・許可基準内の行為であることを確認し、許可した

 

イ　許可を受けていたが、禁止事項が確認され、是正指示済みの盛土（別紙2）

（1）盛土位置：上越市板倉区別所

（2）該当する法規制等：森林法、廃棄物処理法

（3）盛土の状況

　・ 残土の処分地として林地開発許可しているが、許可条件違反が確認され、盛土の表面や内部に廃棄物の混入等が確認されているもの。

（4）対応

　・廃棄物の撤去を指導し、事業者が撤去中。

 

ウ　無許可でかつ盛土の構造を詳細に調査する必要のある盛土（別紙3・4）

（1）盛土位置：佐渡市井坪

（2）該当する法規制等：砂防法、新潟県砂防指定地等管理条例

（3）盛土の状況

　・砂防指定地内の最上部に約75,000m3（面積約7,800m2、高さ約55m）の盛土が形成（土量については精査中）

　・盛土部より約2km下流に井坪集落（21戸）があり、土砂災害警戒区域、土砂災害特別警戒区域に指定

（4）盛土の行為者（11月29日現在）

　・平成7年度から平成21年度に、佐渡市が実施した公共下水道工事及び漁業集落排水工事により発生した残土の処分として盛土を行ったもの

　・平成7年度から平成10年度には、佐渡市の公共下水道工事を県代行事業にて実施し、その際も当該地へ残土の搬入が行われていた

※県代行事業：県が市町村に代わって事業を行うもの

　・平成30年度には、新潟県が実施した小木港の港湾工事により発生した残土の搬入が行われていた。

（5）対応

　・11月19日に（一社）新潟県地質調査業協会の専門家による現場調査を実施し、直ちに盛土が崩れ、土砂が流出するような状態ではないことを確認済み

　・佐渡市にて表面水処理のための応急対策（水路工事）の実施が必要と考えている。

　・その後、詳細調査等を佐渡市などにて実施し、対策を講じる。

　・佐渡市と県において必要な手続きを行うことにより無許可状態の早期解消を図る

　・発注者及び受注者に対し、砂防指定地等の制限行為に関する手続きについて改めて徹底する旨の通知を発出済

 

エ　無許可等でかつ継続して経過観察を行う必要がある盛土（別紙5・6）

（1）盛土位置：佐渡市　徳和地内

（2）該当する法規制等：森林法、新潟県立自然公園条例

（3）盛土の状況

　・盛土の面積は約12,000m2、高さ約30m。盛土量は約2万8000m3。

　・0.7km下流に約24,000m2の農地あり。下流に集落なし、土砂災害警戒区域等の指定なし。

（4）盛土の行為者

　・佐渡市内の土砂採取業者が、平成25年～平成27年にかけて別地内で土砂採取を行った際に発生した残土の処理として盛土を行ったもの

（5）対応

　・11月19日に（一社）新潟県地質調査業協会の専門家による現場調査を実施し、直ちに盛土が崩れ、土砂が流出するような状態ではないことを確認済み

　・盛土行為者に対し、次の事項について指導する。

　1） 応急対策（盛土側部や法尻の排水施設の整備及び盛土法面の緑化）の実施。

　2） 今後の盛土の安定性を確認するため、経過観察の実施及び県への結果報告。

　・併せて、県においても定期的に現地のパトロールを行い、盛土の経過を観察する。

 

3　今後の詳細調査等の結果について

　　詳細調査等の結果は速やかに公表します。

 

報道発表資料 [PDFファイル／143KB]

別紙1～6 [PDFファイル／5.27MB]

 

＜本件についてのお問い合わせ先＞

○上記1、2の取りまとめに関すること

土木部監理課企画調整室　企画調整室長　小林

（直通）025-280-5838（内線）3184

○上記2のアに関すること

　農林水産部治山課　課長補佐　倉　

（直通）025-280-5822（内線）3042

○上記2のイに関すること

　農林水産部治山課　課長補佐　倉　

（直通）025-280-5822（内線）3042

　県民生活・環境部廃棄物対策課　課長補佐　大沢

（直通）025-280-5695（内線）2501

○上記2のウに関すること

　土木部砂防課　課長補佐　平出

（直通）025-280-5853（内線）3362

　土木部都市局下水道課　課長補佐　松本

（直通）025-280-5857（内線）3350

　交通政策局港湾整備課　課長補佐　荒井

（直通）025-280-5867（内線）3302

　農林水産部漁港課　課長補佐　丸田

（直通）025-280-5817（内線）3006

○上記2のエに関すること

　農林水産部治山課　課長補佐　倉

（直通）025-280-5822（内線）3042

　県民生活・環境部環境企画課　課長補佐　星野

（直通）025-280-5691（内線）2691