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皆さんが考える佐渡の魅力は何がありますか?最近は「佐渡島(さど)の金山」が世界遺産に推薦されたため、金山を挙げる方も多いのではないでしょうか?しかし、佐渡には美味しい日本酒が沢山あることも魅力の一つです。
3月11日、12日に、4年ぶりに開催された「にいがた酒の陣」においても、佐渡から5つの酒蔵が出展し、多くの日本酒ファンを喜ばせました。
さて、今回は、佐渡酒造協会の会長をしている逸見酒造社長 逸見明正さんのお話を交えながら、佐渡の日本酒について紹介します。
佐渡の日本酒について、まず紹介したいのが、「佐渡五醸」という事業です。この事業について皆さんはご存知でしょうか?佐度五醸とは、佐渡島内にある5つの酒蔵が、日本酒で佐渡を盛り上げようと協力して立ち上げた事業です。
佐渡島内にある5つの酒蔵ではそれぞれ、天領盃(天領盃酒造)、金鶴(加藤酒造)、真稜(逸見酒造)、真野鶴(尾畑酒造)、北雪(北雪酒造)等といった銘柄の日本酒を造り、販売しています。
逸見さんは、5つの酒蔵が造る日本酒の違いを味わってもらいたい、という思いから、佐渡五醸という事業において、酒米を佐渡産の「越淡麗」で統一して日本酒を造る、という活動を実施しています。
この事業の活動資金を調達するためにクラウドファンディングを実施したところ、なんと当初の目標額を大幅に超えた700万円強を募ることが出来たそうです。
今回、佐渡五醸の事業で販売していた日本酒のセットを入手することが出来ましたので、記事作成チームで飲み比べを行い、5つの日本酒が持つ味の違いを実際に体感してみました。
↑佐渡五醸(佐渡市の佐和田地区にある観光名所、あめやの桟橋(さんばし)で撮影しました)
主観的な意見となっていますが、佐渡の日本酒を味わう際の参考にしていただければと思います。
○天領盃(てんりょうはい)
・果物のよう芳醇な香りが特徴で淡麗な味わい
・比較的低アルコールのため日本酒が初めての方にもオススメです。
○金鶴(きんつる)
・口当たりの甘みが良く、飲み込んだ時のインパクトが大きい
・食中酒としてもオススメできる日本酒です。
○真稜(しんりょう)
・飲み始めからの酸味や甘みが印象に残る
・辛さの中にも、上記のような風味が際立ちます。
○真野鶴(まのつる)
・淡麗辛口で後味がとてもスッキリ
・ついつい杯が進んでしまうような、軽快な味わいでした。
○北雪(ほくせつ)
・飲み込んだ時の酸味や甘みを感じますが後味はスッキリ
・喉を通す前と後で変わる、風味の強弱が印象的でした。
このように味の違いが出る理由の一つに、銘柄によって使用している酵母(日本酒を造る上で欠かせない微生物)が異なることが挙げられます。そこに、それぞれの酒蔵が持つ手法や技術が加わることで、同じ酒米を用いても日本酒の味が個性豊かに変化するのです。
また、逸見さんによると、それぞれの酒蔵が持つ日本酒の味を保ち続けるのは簡単なことではないそうです。お米の品質は毎年の気候によって変化するので、杜氏(日本酒を造る職人)は毎年一年生のつもりで、その年の気候に合わせた手法で日本酒を造っているとのこと。皆さんから愛される日本酒の味は、酒蔵の技術と努力によって造られているのです。
逸見さんに今後の佐渡五醸の活動について伺ったところ、まだ具体的には決まっていないが、新しいことにチャレンジしたいとお話しされていました。いずれは佐渡でのみ作付けができる酒米を開発し、それを使用した日本酒を造りたいとも考えているそうです。また、日本酒を普段あまり飲まない方でも飲みやすいように、アルコール度数が低い酒を開発している酒蔵もあるとのこと。今後も、佐渡の日本酒が持つ魅力を多くの人にアピールしていきたいとのことでした。佐渡五醸のこれからの活躍に期待がかかります。
この取材の中で逸見さんに日本酒の楽しみ方について訊いてみたところ、日本酒は一度開封すると酸化が進行してしまいますが、あえて酸化させて味の変化を楽しむのも良いのではという話がありました。記事作成チームでも、実際に酸化を楽しんでみたいという意見も挙がるなど、この取材を通して日本酒により興味を持てた良い機会となりました。
また今回、佐渡の五つの日本酒を飲み比べしてみましたが、どれも味わい深く、味の違いを楽しむことが出来たと同時に、それぞれの酒蔵の想いが感じとれました。皆さんも佐渡に来島した際は、是非佐渡の日本酒を味わってみてください!
最後に本記事を作成するにあたり、お忙しい中快く取材を受け入れていただいた逸見酒造社長 逸見 明正様にこの場を借りてお礼を申し上げます。
・佐渡五醸についてもっと知りたい方へ
https://www.makuake.com/project/sado5jyo/<外部リンク>