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雪国の清流が育むブランド養殖魚「魚沼美雪ます」

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0789706 更新日:2025年12月16日更新

雪国FoodStory魚沼美雪マス

豪雪地帯として知られる新潟県の魚沼地域では、厳しい自然環境から数多くの魅力的な食材が生まれています。今回はその一つ、ブランド養殖魚『魚沼美雪(うおぬまみゆき)ます』をご紹介します。雪国の厳しい自然環境の中で、たくましく育った貴重な食材です。20年ほど前に誕生し、いまや生産が追いつかないほど人気を集める魚沼美雪ますとは、いったいどんな食材なのでしょうか。

雪国の伏流水は暑い夏を乗りきる生命線

「マス類は水温が高いと生育できません。創業者がこの地を選んだのは、豪雪地帯ゆえに地下を流れる伏流水(八海山系からの雪解け水)が豊富だったからです。」

生産者の高野さん

そう語るのは、新潟県における「虹鱒(ニジマス)養殖発祥の地」の歴史を持つ「高野養魚場」の4代目・高野大輔さん。高野養魚場では、魚野川水系の河川水と地下からの伏流水を組み合わせて養殖を行っています。伏流水は一年を通してほぼ一定の低水温ですが、河川水は気温の影響を受けるため、夏場は水温が上がってしまいます。

ポンプアップにかかるコスト削減のため伏流水を100%使うことは難しく、河川水との併用が必須です。このため、魚野川の水温が上がる夏場こそ、冷たい伏流水を汲み上げて水温を調整することが、マス類の生育に最適な環境を与える生命線となるのです。

雪国ならではの豊富な伏流水、さらに厳しい冬を超えてじっくりと育つ環境こそが魚沼美雪ますの味の源。身がひき締まり、独特の弾力ある食感が生まれるといいます。

源流
​養殖場の上流にある源流

ブランド養殖魚である魚沼美雪ますは、出荷サイズが1.5kg以上と取り決められており、その大きさに育つまでにおよそ3年の月日を要し、卵の状態から育てても出荷サイズになるまでには半分以上が死んでしまうといいます。このような生育面の難しさから、魚沼美雪ますの年間生産量は養殖場全体の約1割にとどまっています。

加えて、「夏の暑さが最近では一番の問題。」と高野さんが指摘するように、近年は、猛暑続きで夏場の河川水温が上昇することで、餌食いが悪くなって成長が停滞したりと、低水温を好むマス類の生育に対し深刻な影響を及ぼしています。夏場の猛暑は、養殖現場における大きな課題となっているといいます。

2025年夏も異例の猛暑続きで、河川の水温は上昇、また深刻な水不足にも見舞われました。「この水がなければこの暑い夏を乗り越えるのは難しかった。」という高野さん。豪雪地帯だからこその強みである豊富な雪解け水がもたらす伏流水で何とか乗り越えることができたそうです。

養殖場のそばを流れる魚野川
​養殖場のそばを流れる魚野川

品質を支える酒粕とスピード加工

髙野養魚場では、品質を追求するために独自の工夫を凝らしています。その一つが、酒粕を餌に混ぜることです。高温処理を行わず酵母が生きている酒粕を餌として使うことで、魚のヌメリ成分が増加し、魚体を健康に保てるといいます。

乾燥させた酒粕を餌に混ぜる
​乾燥させた酒粕を1割ほど餌に混ぜている

そして、品質を支えるもう一つの大きな強みが、加工場を併設していることです。鮮度を保つため、魚を水から上げた直後に神経締めを行います。手間のかかるこの処理を水揚げ後すぐに施し、安心・安全な食材として提供できる徹底したスピード加工が養殖場の強みと言えます。

魚沼美雪ますの魅力は弾力と旨味

魚沼美雪ますは、内水面水産試験場魚沼支場が10年の歳月をかけて研究した成果の結晶として誕生し、それから20年近くかけて養殖に取り組んできたニジマスとイワナの交配種(3倍体)です。自然界のマス類は子孫を残すために、精子や卵をつくる器官にもエネルギーを使いますが、魚沼美雪ますは3倍体となる処理を施すことで、不妊となり、エネルギーをすべて身の成長に使うことで、大きく育てることができます。

立派に育った魚沼美雪ます

母はニジマスで父はイワナであり、ニジマスにイワナ属の血が入ることで歯ごたえのある肉質となり、驚異的な弾力が生まれます。その触感は従来のマス類、いわゆるサーモンの概念を覆すほど。捌いた直後(当日)に食べると強い歯ごたえを楽しめますが、「1日経つとさらに旨味が深まります。」と髙野さんは解説します。魚沼美雪ますは、通常の魚よりも弾力が落ちにくく、翌日以降もその歯ごたえを保ちながら旨味が増すという、稀有な特徴を持っているのです。

もちろん清流魚ならではのバランスのとれた脂やさっぱりとした旨味も味わえます。さらに魚沼美雪ますの特徴である鮮やかなピンク色の秘密は、餌の成分であるアスタキサンチンによるものです。アスタキサンチンには強力な抗酸化作用があることから、様々な健康効果が期待できます。

養魚場で美雪ますの世話をする高野さん

弾力と旨味を最大限に味わって欲しい

日々、魚の管理ができるのが養殖場のメリットであり、1年を通しておいしい魚を提供できますが、中でも冬のほうが脂を蓄え、「この厳しい冬を乗り越えた魚は、 もう圧倒的に美味しいですね。」と髙野さんは語ります。そんな魚沼美雪ますの美味しい食べ方とは…!?

魚沼美雪マスのお造り

魚沼美雪ますを最も美味しくいただく方法は、「やっぱり刺身」(高野さん)。捌いた当日の強い弾力、その歯ごたえを楽しむのも良いですが、1日、2日と熟成させて旨味が増した状態でいただくのがおすすめです。また、冬場のおすすめは「しゃぶしゃぶ」。薄く切った身をさっとお湯に通し、ポン酢でいただく食べ方は、必ずと言っていいほど絶賛されるそうです。

ちなみに家庭向けの商品は、養殖場で加工後すぐに真空パックにして冷凍・出荷されています。召し上がる際には、細胞が潰れないよう「ゆっくり解凍」するのが大切です。冷蔵庫で自然解凍したあとも3日間まではお刺身で食べられますが、水分として出てくる臭み成分をキッチンペーパーなどでしっかり取ってやると、より美味しくいただけるそうです。

希少な人気ブランド養殖魚「魚沼美雪ます」の清らかな旨味を、ぜひご賞味ください。

ぜひ食べてみてください!

取材日:2025年10月9日


ポイント

魚沼美雪ます                ​

おすすめポイント魚沼美雪ますのお造り

・歯ごたえのある肉質で、驚異的な弾力を持つ。

・通常の魚よりも弾力が落ちにくく、翌日以降さらに旨味が増すのが特徴です。

販売時期

・通年

ストア

【新潟直送計画】1

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魚沼美雪ます – 高野養魚場<外部リンク>

※生産数に限りがあるため、品切れの際はご容赦ください。

 


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