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日時:令和7年6月7日(土曜日) 13時30分~15時30分
会場:新潟県愛鳥センター紫雲寺さえずりの里 2階レクチャールーム
講演1:演題「新潟県におけるサギ類コロニーの現状」
講師:新潟県野鳥愛護会 江川 浩之 氏
講演2:演題「トキが身近にある暮らし」
講師:NPO法人トキどき応援団理事長 仲川 純子 氏
参加者:40名
講師:新潟県野鳥愛護会 江川 浩之 氏
県内のサギ類コロニー調査が2023年度、2024年度の2か年かけて行われました。その結果と、2001年度、2002年度に行われた同調査の結果とを比較した現状の報告をしていただきました。
サギコロニーは県内ほぼ全域で確認されたそうです。しかし、過去の調査時の結果と比較すると、大規模なコロニーが消滅し、コロニーの小規模化、分散化の傾向が見られたそうです。
2か年の調査の中でもコロニーの増減があり、不安定であったとのことでした。
巣数では、ゴイサギの減少が著しく、アマサギ、チュウサギ、コサギも減少していました。ダイサギのみ増加が見られました。
営巣木の強度の伐採により消滅したコロニーや、カワウの駆除の際にサギ類が巻き添えになった事例もあるとのことでした。
発表の中では、ダイサギが飾り羽を広げて求愛行動をする姿や、アオサギの巣のヒナが給餌を受ける様子など動画でも紹介していただきました。
ゴイサギの減少については、数年前まで狩猟鳥だったこともあり、減少が考慮されなかったのではないかという考察もありました。ゴイサギは県内だけでなく国内での減少が著しいことが報告されています。今後、有害鳥獣駆除等の際にも配慮が必要と考えられます。
講師:NPO法人トキどき応援団理事長 仲川 純子 氏
トキが身近にいる佐渡の取り組みや未来についてお話しいただきました。
佐渡では、推定576羽(2024年12月31日現在)のトキが生息しています。トキが当たり前の存在になってきているそうです。
トキがよくいる場所は田んぼです。田んぼには、トキの餌になる生き物がたくさんいます。カエル、ドジョウ、タニシ、アメリカザリガニ、ガムシ、ヤゴ、サンショウウオ、サワガニなどの水生生物、ミミズ、バッタ、ケラなど陸生生物など様々です。
田んぼの周りには、畔や農道、江(深み)、ビオトープ、ため池、水路などの環境があり、多様な生物の生息場所となっています。
佐渡の田んぼでは、認証米の取り組みが行われています。農薬や化学肥料をこれまでの半分以下に抑え、生き物を育む農法を1つ以上行うというものです。生き物を育む農法は、1.江の設置、2.ふゆみずたんぼ、3.魚道の設置、4.ビオトープの設置、5.無農薬・無化学肥料です。
毎年6月と8月には生き物調査も行っているそうです。
畔に除草剤を使わず、草刈りで除草する取り組みも行われています。
そういった努力もあり、2011年に「世界農業遺産」にも認定されました。
トキは、かつては普通の鳥でしたが、狩猟や環境破壊など人間の活動が原因となり激減し、日本の野生トキは絶滅してしまいました。現在では佐渡での様々な取り組みのおかげもあり、野生復帰が成功し、トキの数は予想以上に早く増えました。
しかし近年、トキの増加は横ばいになっています。原因は繁殖期の悪天候や捕食のほか、密度が上がったことにより、営巣地で個体間の干渉が増えたことなども原因と考えられています。分散化するために、佐渡島内でもトキが生息していないエリアへ放鳥を行うこともしていますが、来年度には本州での放鳥が計画されています。
佐渡と同じように、本州でもトキと共生する社会を作っていく必要があります。
トキが暮らしていくためには、餌となる生物と餌場、止まり木やねぐら、営巣木が必要です。
トキは、いろいろな生き物がいて、いろいろな環境がある「生物多様性」の指標の一つです。トキがいることによって、他の生き物との共生を考えることができます。
トキが普通の鳥になる未来を信じているという言葉で締めくくられました。
新潟県では、県民のみなさまに野鳥保護の大切さや自然の素晴らしさをお伝えするために野鳥保護の集いを開催しています。
今年度はサギ、トキに関する講演を行います。
トキ
日時:令和7年6月7日(土曜日) 13時30分から15時30分
会場:新潟県愛鳥センター紫雲寺さえずりの里 2階レクチャールーム
講演1:演題「新潟県におけるサギ類コロニーの現状」
講師:新潟県野鳥愛護会 江川 浩之 氏
講演2:演題「トキが身近にある暮らし」
講師:NPO法人トキどき応援団理事長 仲川 純子 氏
定員:50名(要申込)
参加費:無料
申込み:4月1日より受付け開始
住所、氏名、電話番号を明記して、電話、はがき、Fax、E-mail、ホームページ電子申請にて愛鳥センターまでお申込みください。
締め切り:6月5日(木曜日)または定員になり次第
主催:新潟県愛鳥センター紫雲寺さえずりの里・新潟県野鳥愛護会
ホームページ電子申請はこちら<外部リンク>
愛鳥センター案内図
電子申請の利用にあたっては、次の事項に留意してください。
令和7年度新潟県野鳥保護の集いチラシ [PDFファイル/255KB]
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