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令和4年度愛鳥講演会を開催しました

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0528529 更新日:2024年4月1日更新

令和4年度愛鳥講演会を開催しました

日時:令和4年11月23日(水曜日・祝日) 13時00分~15時00分

場所:新潟県立生涯学習推進センター 1階 ホール

参加者:49名(うち講師2名)

今年度の愛鳥講演会は、「海岸に生息する鳥」をテーマに、2名の講師からご講演頂きました。

講演内容

演題1 「ウミガラスってどんな生き物?」  講師:新潟市水族館マリンピア日本海 丹治 陶子 氏

講演会の様子1

 マリンピア日本海で飼育展示しているウミガラスについて、生態や飼育の裏側、野生での状況についてお話しいただきました。

 ウミガラスは、よくお客さんに「ペンギン?」と言われるそうですが、ペンギンでもカラスでもなく、ウミスズメ科の鳥です。繁殖期以外は海上で生活しています。水中に潜るときは浮力が生じるので翼を強く打ちおろし、浮上するときは羽ばたきをやめる様子を動画で解説していただき、泳ぎ方がよくわかりました。

 ウミガラスの卵は洋ナシ型で、模様も美しいため、かつてはコレクターが収集していたそうです。また、海鳥が多く生息していた時代は繁殖期に卵が大量に採れるため、食料として採集した結果、数十万羽いたウミガラスが6千羽まで減ってしまったそうです。ウミガラスは現在絶滅危惧1A類になっています。

ウミガラスの卵の画像

 飼育しているウミガラスの日々の飼育管理について、餌の内容や与え方の工夫、掃除のしかたなどを動画も交えて紹介していただきました。餌の魚を直接与えるほか、水中に投げ入れたり、趾瘤症を防ぐために、かごに餌を入れて水中に投げ入れる方法も取っているそうです。マリンピア日本海では1日に3回給餌を行っているそうですので、その時間に行くと実際の給餌の様子、泳ぐ様子が見られます。

 現在、野生のウミガラスは日本では北海道の天売島のみで繁殖していて、環境省の保護増殖事業が行われています。デコイや音声による誘引や、ビデオカメラによるモニタリングでヒナの巣立ちや捕食者の侵入状況の把握を行っているそうです。これ以外に市町村による保護の取り組みもされていて、樹林活動や農薬を抑えた米の栽培などが行われているそうです。

講演会の画像

 今後の取り組みとしては、天売島で安心して繁殖できるようにする、飛来するウミガラスを増やす、観光振興との両立、ウミガラスを取り巻く自然環境の保全を行い、最終的な目標は人間が関わらなくても生息数が安定することです。

 ウミガラスのかわいらしい姿を見せてもらいながら、人間の歴史と鳥に与えてきた影響について考えさせられるお話しでした。

演題2 「イソヒヨドリは海岸でどうくらす?」  長岡市立科学博物館 鳥居 憲親 氏

講演会の画像

 鳥居さんの研究されてきたイソヒヨドリについて、採食生態を中心とした海岸でのくらしについてお話しいただきました。

 イソヒヨドリは1940年代の書籍では「純然たる海浜の鳥」と紹介されています。世界では岩山や採石場などに生息し、海岸に生息している地域は少ないため、日本で海浜に生息するのは世界から見ると特殊なのだそうです。また、最近は内陸への進出が注目されていますが、内陸部でのくらしに注目が集まる一方、海岸でのくらしはあまり研究されていないそうです。

講演会の画像

 食性は雑食で、フナムシを強調して書かれている文献が多く、採餌環境、採食方法は多様とされています。鳥居さんが県内2か所で行った調査では、採餌方法は地面でついばむ方法がほとんどで他の方法はわずか、採餌環境についても、岩礁、砂浜など開けた場所の地表での採餌が多かったそうです。

 植物質、動物質の両方を食べますが、昆虫、地表性小動物(ミミズ、ムカデなど)、海岸性動物などの動物性のものが中心だったそうです。フナムシを実際どの程度食べていたのかについて、これまでに出ているヒナへの給餌内容の報告で6~20パーセント、鳥居さんが繁殖期の成鳥で行った調査では10パーセントと、実際は意外にもそれほど多く食べていなかったという結果でした。

越冬期の食性についてはほとんど調べられていないそうで、昨シーズンに行った調査では汀線ごみと呼ばれる漂着物を多く食べていることがわかったそうです。
 鳥居さんは現在、NPO法人バードリサーチと協働で越冬期の食性調査のプロジェクトを行っています。誰でも参加できますので、記録を持っている方、また、これから採餌場面を観察する機会があればぜひ参加してみてください。

講演会の画像

 イソヒヨドリの内陸進出は海岸の環境悪化が原因ではないかという説があるそうですが、海岸の直立護岸化などの環境変化が冬季の餌不足を招いた可能性があるとのことでした。
『陸地と海の接点「海岸」その現状を一度見つめ直してみる必要がある』
というメッセージに、やはり人間が野生生物に与えている影響について考えさせられました。


参加者からは、
「ウミガラスをマリンピアに行って見てみたいと思いました。」
「身近にいる鳥でも、細かな生態についてはわからないことが多いのだなと思いました。」
「調査、研究の面白さ、興味深さを理解することができました。」
など多くの感想をいただきました。
ご参加いただいた皆さん、ありがとうございました。

令和4年度愛鳥講演会

 新潟県愛鳥センターでは、県民のみなさまに自然の素晴らしさや野生生物保護の大切さを伝えるために、愛鳥講演会を開催しています。

 今年度のテーマは「海岸に生息する鳥」です。ウミガラスとイソヒヨドリについての講演を行います。

講演会チラシの画像

演題1
「ウミガラスってどんな生き物?」
 
丹治 陶子 氏 (新潟市水族館マリンピア日本海)

演題2
「イソヒヨドリは海岸でどうくらす?」
 
鳥居 憲親 氏 (長岡市立科学博物館)

日時:令和4年11月23日(水曜日・祝日) 13時00分~15時30分

場所:新潟県立生涯学習推進センター 1階 ホール(県立図書館複合施設)
(住所:新潟市中央区女池南3-1-2)

講演会日程:
受付 12時30分~13時00分
開会 13時00分~13時10分
講演会 13時10分~15時20分

閉会 15時20分~15時30分

申込み:令和4年10月15日(土曜日)から受付開始
住所・氏名・電話番号を明記の上、はがき、電話、ファックス、e-mailまたは
下記の電子申請システムで愛鳥センターまでお申込みください。

定員:95名

申込み締切:11月13日(日曜日)または定員に達した時点

参加費:無料

お問い合わせ・申込み先

   新潟県愛鳥センター紫雲寺さえずりの里
   〒957-0231 新発田市藤塚浜海老池
   Tel:0254-41-4500 Fax:0254-41-4501
   E-mail:ngt031210@pref.niigata.lg.jp

※講演会当日はマスクの着用、手指の消毒にご協力ください。
また、当日体調が悪い場合はご参加をご遠慮いただきますようお願いいたします。
感染症の状況等により変更になる場合があります。最新の情報はホームページをご覧ください。

愛鳥講演会チラシ [PDFファイル/559KB]

 

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