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開園25周年を迎える県立植物園の利便性向上を図るとともに、地域の若者に実践的なものづくりを通じた人材育成及び社会貢献の場を提供するため、県立新津工業高等学校(日本建築科)及び山崎建築(生徒への技術指導等)と協働で東屋を製作しています。
令和5年秋の完成に向けて、生徒たちの作業風景など東屋の製作過程を紹介していきます。
(県立新津工業高等学校についてはこちらから→)www.niitsuk-h.nein.ed.jp/index.html<外部リンク>
東屋の土台となるコンクリート基礎は(株)大野建設が造ることになりました。基礎工事にあたり、8月31日(木曜日)に、(株)大野建設、学校、県立植物園、当部で打合せを行い、スケジュール調整や、東屋と基礎を接続する工法の段取りなどを話し合いました。基礎を仕上げた後、基礎面の高さを計測し、それに合わせて生徒たちが柱材などの調整を行います。
基礎工事の現場では、工事看板の設置や囲い用のロープを張るなど工事の準備を進めており、9月中旬から本格的な工事に着手する予定です。工事の際は芝生エリアの一部が使用できなくなるなど、公園を利用される方にはご不便をおかけします。施工時は安全第一を心掛けて作業します。
学校での生徒たちによる材料製作も着々と進んでいます。8月31日(木曜日)は、上図の赤い部材を仮り組みし、手分けして細部の加工を行っていました。見学で実習室を訪れるたびに生徒たちは元気な挨拶を返してくれます。作業中も互いに声を掛け合っており、真剣な中にも雰囲気の良さを感じました。
まだまだ残暑が続きますので、水分補給をしっかりするなど体調管理に気をつけて作業をお願いします。
約1ヶ月ぶりの実習見学です。暑い日が続きますが生徒たちによる材料製作は続いています。この日は、「尾垂木(おだるき)」という屋根の軒先を支える部材の製作を行っていました。
尾垂木を木組みで接合するための穴(ほぞ穴)を開ける作業です。この穴開けは斜めに正確に削る技術が必要になるそうです。生徒たちは2級建築大工技能士を取得するための練習で既に経験済みとのことであり、慣れた手つきで作業をしていました。
製作した尾垂木を組み上げたときにどのようなイメージになるか山崎氏が生徒に解説しています(左)。山崎氏は、「にいがたの名工」※として表彰・認定された方です。生徒は、学びながら造り、造りながら学ぶことで日本建築への理解を深めているようでした。
※新潟県内に在住し県内外で高い評価を得ているきわめて優れた卓越技能者を認定する制度
道具の手入れも入念に行っていました。職人を目指すうえで道具を日々メンテナンスすることも大切な作業の一つなんですね。その姿勢が良い仕事を期待させてくれます。
これからの時期、暑さもさらに増してきますので、体調管理に気をつけて引き続きよろしくお願いします!
東屋を設置する場所は、鑑賞温室から池を挟んで南側の芝生エリアの一画を予定しています。植物園のシンボルである鑑賞温室と池を望め、近くに水飲み場があり、散策者が一休みするのに丁度良い場所です。
東屋を建てるうえで、現地の起伏などを確認し設計に反映させるための測量と、東屋の土台となる基礎を造る工事は当部(新潟県)が担っています。現在、測量作業を行っており、測量が終わり次第、基礎工事を発注する予定です。基礎が完成すれば、生徒たちによる上屋の建築作業にバトンタッチです。
東屋完成時に生徒たちが達成感と誇らしさを感じてもらえるように、相応のしっかりした土台を造るようにしたいと思います。
生徒たちは引き続き安全第一での作業をよろしくお願いします。
東屋を設置する場所
この日は、実習室で茅負(かやおい)の材料製作を行っていました。茅負(かやおい)とは左の写真(屋根の先端)の位置の部材だそうで、真っ直ぐのように見えて実は右の写真のように美しい曲線を描くように設計されているそうです。日本建築の奥深さを感じます。
鉋(かんな)で材料を削り、設計どおりになるよう微調整にも余念がなく、丁寧に仕上げていました。その表情は真剣そのもので、良いものを作ってくれそうな頼もしさを感じます。
山崎氏をはじめ指導者の方による生徒たちへの指導にも熱が入ります。やはり職人の方の動きは洗練されていました。
この日作業していた生徒に集まってもらい集合写真を撮らせてもらいました。みんなすてきな笑顔でチームワークの良さを感じました。後ろに飾られている大型ポスターは昨年度の体育祭のものだそうです。
引き続き、けがに十分気をつけて作業を進めていただきたいと思います。
生徒たちは、これから毎週木曜日の実習時間に学校の実習室において材料製作を進めます。
この日は、複雑な木組みを行う木材の裁断に必要な実寸図を、設計図面に基づきベニヤ板に描いたり、屋根の垂木に使用する木材の製作に取り組んでいました。
電卓を叩き、真剣な眼差しで図面と模型を見比べている様子は、職人の雰囲気が漂っていました。
けが無く順調に作業が進むことを願います。
※この日の作業の様子は日刊建設工業新聞(令和5年5月12日)に掲載されました。
作業風景
先生方、山崎氏(山崎建築代表)、県立植物園長と当部担当者が集まって設計の最終調整を行いました。
設計を担当された山崎氏と先生からは、生徒に学んでもらいたい日本建築の技法を用いた細部へのこだわりなどを聞かせていただき、この取り組みに対する熱い想いを感じることができました。
校長先生は、「生徒たちにとって、実際に多くの方に使ってもらえるものを作る経験は貴重であり、非常に良い学びになる。」「このような機会をもっと作っていければ」と仰っていました。
準備が整い、これからが生徒たちの出番です!
模型を囲み打合せする様子
県立新津工業高等学校、山崎建築及び新津地域整備部の3者で、東屋製作に関する協定を締結しました。
東屋は、日本建築科の3年生が山崎建築の技術指導を受けながら卒業記念として製作します。
県立植物園の広い園地を散策される方々が気持ち良く休憩できるよう、メイン園路沿いで、池や花々を見渡せる景色の良い芝生スペースの一画に設置する予定です。
令和5年度の秋完成を目指し、東屋製作がスタートします!
【主なスケジュール】
・令和5年 春~夏 学校の実習室での材料製作など
・令和5年 秋 現地での設置作業、完成式
製作する東屋のイメージ模型 東屋を設置する県立植物園