第1回の「田んぼの水を取り込む(阿賀野川頭首工)」を皮切りに、農業用施設や農業の取り組みをご紹介してきましたが、今回で最終回。農業用水が行き着く先の「排水機場」をテーマに取り上げます。
低平地に集まる水をくみ上げ続けています。「新井郷川排水機場」
福島潟~新井郷川~新井郷川排水機場
オオヒシクイや、かれんな花を咲かせるオニバスで有名な福島潟ですが、潟を中心とするすり鉢状の標高の低い地形のため、度重なる洪水に悩まされてきた地域でもあります。
連載第5回目では、「周辺の農地などから福島潟への排水」を扱いましたが、今回は「福島潟からの排水」をテーマに、福島潟周辺地域の農業や暮らしを洪水から守る「新井郷川排水機場」をご紹介します。
(写真)春の福島潟
新井郷川排水機場の歴史
福島潟周辺の低平地にたまった水を強制的に排水するため、昭和26年から建設が始まった新井郷川排水機場は、昭和29年に運転を開始しました。
その後、平成7年の施設の老朽化に伴う改築を経て、現在に至っています。
新井郷川排水機場のしごと
新潟市、阿賀野市、新発田市、聖籠町からなる約21,000haの農地、宅地、山林などから集まってくる水は、新井郷川からくみ上げて強制的に日本海側に排水する必要があります。
この役割を担っているのが新井郷川排水機場です。
新井郷川排水機場には直径3.2mのポンプ5台設置されていて、その最大排水能力は毎秒110立方メートルにもなります。これは一般的な25mプール(幅12.5m深さ1.2m程度)の水をおよそ4秒で空っぽにできるほどです。
洪水時には、新井郷川排水機場だけでは排水しきれないことがあるため、胡桃山排水機場や、福島潟放水路などと連携して、農地をはじめとした周辺地域を洪水から守っています。
施設見学できます。
月~金曜日(祝日・年末年始を除く)午前9時30分~午後4時30分まで
見学をご希望の方、まずはお問い合わせください。
掲載中のしばた 魅力はっけん【農村整備部】(第1~5回)もあわせてご覧ください。