本文
【見つけた!農業びと】中山間農地の後継者として ―農家兼狩猟者をめざして― 古岩 樹さん(上越市)
中山間農地の後継者として ―農家兼狩猟者をめざして― 古岩 樹さん(上越市)
上越市谷浜(たにはま)・桑取(くわどり)地区の若手農業者「古岩 樹(ふるいわ いつき)」さんを紹介します。
古岩 樹さん
千葉県出身の古岩樹さんは、令和3年に谷浜・桑取地区に移住しました。3年間の研修期間を経たのち経営継承・独立し、現在は水稲3.8haと園芸6aの栽培に取り組んでいます。
自然が大好きな古岩さんは、専門学校時代に鳥獣被害の現場を目にし、人と自然の境界を守れる農家兼狩猟者になりたいと思い、狩猟免許を取得しました。そしてインターンシップで訪れた上越の中山間地域に魅力を感じ、移住を決意しました。
中山間地域での農業を経営する上で、作業の省力・効率化や販路開拓が課題であると考えた古岩さんは、昨年、ドローンでの水稲直播栽培や個人販売の拡大に取り組みました。
さらに本取組を、2月に開催された青年農業者意見発表会で発表し、見事最優秀賞を受賞しました。
青年農業者意見発表会で発表する様子
今年11月に福井県で開催される北陸ブロック農業青年会議において、新潟県代表として発表を行います。
また、地域の活動にも意欲的に取り組んでいます。昨年度、上越地域の4Hクラブ「ひかり」の副会長を務め、サマーフェスティバルへの出場や、会員と共にほ場巡回視察研修を開催する等、活動の企画運営に積極的に携わっています。
さらに令和4年度からは上越市の鳥獣被害対策実施隊員となり、猟友会の先輩と共に活動に従事しています。
鳥獣被害対策実施隊として活動する様子
古岩さんは、しっかりと経営基盤を築き、5年・10年先には手放されていく中山間農地を、綺麗なまま受け継ぎたいと考えています。「これからも、人と人とのつながりに感謝して、地域の頼れる後継者になっていきたい。」と抱負を語っています。
情報提供:上越農業普及指導センター(2025年5月)
▼4Hクラブ(農業青年クラブ)について
若い農業者が中心となり、農業経営をしていくうえでの身近な課題の解決方法を検討したり、より良い技術を検討するためのプロジェクト活動を中心に、消費者や他クラブとの交流、地域ボランティア活動を行っている組織です。
4Hとは、農業の改良と生活の改善に役立つ腕(Hands)を磨き、科学的に物を考えることのできる頭(Head)の訓練をし、誠実で友情に富む心(Heart)を培い、楽しく暮らし、元気で働くための健康(Health)を増進するという、同クラブの4つの信条の頭文字を総称したものです。(農林水産省ホームページより一部抜粋)