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持ち込まれた魚(令和6年1月30日)ヘラガンゾウビラメ

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0648089 更新日:2024年7月12日更新

ヘラガンゾウビラメ(カレイ目ヒラメ科)

ヘラガンゾウビラメ
ヘラガンゾウビラメ無眼側

ヘラガンゾウビラメ

水産海洋研究所撮影・測定
全長:27.2cm 標準体長21.9cm 体重:194.6g

特徴

学名:Pseudorhombus oculocirris

  • 尾鰭の全鰭条数が17本。
  • 体の有眼側が櫛鱗、無眼側が円鱗で、側線鱗は50枚以上。
  • 鰓耙は細長い櫛状で、下枝は16本以上。
  • 下眼の表面に皮弁がある。
  • 上眼と背縁の最短距離は、眼径の半分より長い。

鰓耙
鰓耙(本標本は下枝が17本)

下眼の皮弁
下眼(表面に皮弁がある)

吻から眼
頭部(上眼と背縁の最短距離は眼径の半分より長い)

 

採捕の状況

漁獲日時:令和6(2024)年1月30日
漁獲場所:村上市岩船地区西方沖 水深約60m
漁業種類:板びき網(新潟漁業協同組合山北支所所属)

分布

水深30m以浅の砂泥底。相模湾~九州南岸の太平洋、熊本県湯島、新潟県柏崎(日本産魚類検索第三版)、若狭湾(田城ほか2015)、新潟県上越及び下越地域(第28回全国豊かな海づくり大会実行委員会事務局2008、池田2024)

その他

  • 本標本は、尾鰭の全鰭条が17本であること、側線鱗が50枚以上であることなどで、ヒラメ科魚類のうちガンゾウビラメ属に一致します。さらに、鰓耙が細長い櫛状で、下枝は16本以上であること、体の無眼側が円鱗、有眼側が櫛鱗であることで、ガンゾウビラメ属魚類のうち、ヘラガンゾウビラメとタマガンゾウビラメに一致します。
  • 本標本は、下眼の表面の皮弁を持つこと、上眼と背縁の最短距離が眼径の半分より長いことで、Amaoka (1969)が示したヘラガンゾウビラメの特徴に一致します(タマガンゾウビラメは下眼の表面に皮弁は無く、上眼と背縁の最短距離が眼径の半分より短く、本標本とは異なる)。さらに、計数・計測値も、尼岡(2016)が示したヘラガンゾウビラメの範囲とよく一致しました。
  • したがって、本標本をヘラガンゾウビラメと同定しました。
  • 本種は1988年11月に柏崎市沖の水深40mで底びき網により採捕された記録があります。本標本は、正式な記録としては本県における2番目の報告であるとともに、本種の北限記録となります。

(池田 怜)

※本種については、2024年7月発行の『水海研だより 第49号』で詳しく紹介しています。
 なお、『にいがたのさかな100選』に「市場に揚がったタマガンゾウビラメ」として写真にうつっているのは、ヘラガンゾウビラメと考えられます。
広報誌「水海研だより」のページへリンク
にいがたのさかな100選「魚類(た~の)」のページへリンク

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