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森林研究所たより 機械化進展の歴史から見る研究(林業にいがた2023年01月号記事)

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0547218 更新日:2023年1月4日更新

会員の皆様、あけましておめでとうございます。

林業における機械化の進展は、生産性の向上、コストの縮減、労働強度の軽減などに大きく貢献してきており、いつの時代にあっても重要で各種林業施策を支える柱となっているものと考えています。

当所において、現在、林業機械に関する試験研究は実施しておりませんが、過去にさかのぼると、昭和30年代から40年代にかけての皆伐施業や人工造林の全盛期である、39年、刈払機による保育作業効率化に関する試験に始まり、41年以降は、架線集材作業におけるワイヤロープの強度試験や索張方法などの研究に取り組み、54年に終了しました。
その後60年代以降、北海道を中心に導入が進んできた高性能林業機械が、平成3年初めて新潟県に導入されました。県では更なる普及を図るため、7年、当所にフェラーバンチャ・スキッダ・プロセッサ・タワーヤーダの4台を配備、あわせて「高性能林業機械化推進計画書」を策定し、オペレータの養成や本県に適した作業システムの研究などに関する推進方策を示し、高性能林業機械化の推進に必要な基本的事項が取りまとめられました。
当所では、9年より、高性能林業機械を使った効率的作業システム及び間伐への適用などに関する研究を開始し、21年に終了しました。林業機械の研究については、ある程度の成果が出た時点で「習うより慣れよ」の精神により、現地への普及・定着を図ってまいりました。
令和2年度末現在、新潟県に高性能林業機械は159台導入されており、機械の能力を最大限に発揮させるためにも、稼働率の向上等に向けて関係者間の有機的な連携が必要です。

昭和30年代の刈払機の写真

昭和30年代の刈払機

 

造材作業中のプロセッサ(阿賀町綱木地区)の写真

造材中のプロセッサ(阿賀町綱木地内)

 

今後の機械化については、新しい林業に向けて、遠隔操作・自動化機械の導入など、先端技術を活用した機械の開発も進められており、私個人としては、将来的に木に触れることなく植栽から伐採まで可能となり、豪多雪地帯の造林技術等が昭和・平成林業の遺産となる日を夢見ております。

さて、森林研究所は、機械に限らず森林・林業・木材産業に関する様々な成果・知見を有しており、皆様からの要望に何時でも対応できる態勢で臨んでいます。積極的な活用をお願いするとともに、より多くの要望をだしていただければ幸いです。

最後に、会員の皆様のご健勝・ご多幸を心からご祈念申し上げ、新年のご挨拶といたします。

 

森林研究所長 木村公文

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