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森林研究所たより 令和2年度の試験研究(林業にいがた2020年04月号記事)

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:1952202004 更新日:2020年4月1日更新

試験研究課題は、林業関係者などからの要望や林業行政推進上の技術的課題について、必要性、緊急性等の観点から、普及・森林研究所連絡会議、試験研究事業連絡協議会(林業)、県農林水産技術会議研究企画委員会を経て決定されます。

令和2年度の試験研究課題は、15課題(そのうち新規課題が1)の予定です。

1 新規課題

(1)「長伐期に対応したスギ人工林施業体系の確立」

県内スギ人工林の伐期が延長傾向にある中で、長伐期化に対応した森林管理計画樹立のためには、収穫予想表や、その元となる地位指数曲線の高齢級林分への対応が必要になります。しかし、現行の地位指数曲線は高齢級林分への成長予測が十分ではありません。そのため、「長伐期化に対応した林分の将来予測手法の開発」(平成26~29年度)では、県内各地の主に80年生以上の高齢級スギ人工林を調査し、既存の林分調査データと合わせて、高齢級林分にも対応可能な120年生までの地位指数曲線を作成しました(平成30年度参考情報)。

この新たに作成した地位指数曲線の検証を行い、高齢級林分の将来予測の精度向上を図るために、平成26~29年度に調査した高齢級スギ人工林の4~5年後の状況を再調査します(写真1)。

また、スマート林業推進事業(仮)で得られたデータを用いて、スギの相対幹曲線式を求め、細り表を作成します。細り表は、樹高と胸高直径から任意の高さの直径を知ることができる資料で、ドローンや航空レーザー測量から、資源情報をより高精度に解析するために必要であり、森林所有者に施業提案を行う場合や市場に合わせた採材を検討する場合などに活用できるものです。

スギ林の中で毎木調査をしているところ。
写真1 高齢級林分の調査

2 主な継続課題

(1)「新潟県産スギ心去り平角材の利用技術の開発」

県内のスギ人工林は長伐期化が進み生産される丸太が大径化してきており、木材住宅部材で最も多く材積を占める横架材(平角材)での利用拡大が求められてきています。しかし、心去り平角材は製材・乾燥時に曲がりが生ずるため、その抑制と適切な乾燥方法の開発と強度特性の解明を行います(写真2)。

柱材を積んである様子。
写真2 桟積みの向きを変えた乾燥試験

(2)「成長に優れた無花粉スギを短期間で作出・普及する技術の開発」

林木の品種改良や優良種苗の生産・普及には非常に長い年月がかかります。そのため、成長に優れた無花粉スギを作るための種子生産の効率化と省力化の手法を検討します。

3 研究成果発表会等

昨年度は6題の研究成果について発表しました。今年度も最新の研究成果について発表を予定しています。また、例年と同様に10月第1土曜日に一般公開を行う予定です。多くの皆様からのご参加をお待ちしています。

森林・林業技術課 武田 宏

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