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新発田地域振興局では、管内の地域をもっと面白くしようとする様々な方と局長が意見交換をする座談会を始めました。
● 座談会参加者
・水島 優さん(ISEZI Social Design Project代表、写真家、ソーシャルデザインプロデューサー)
※ISEZIの設立目的
ISEZI Social Design Projectは「⺠間公共⽂化施設」として、フランスのサードプレイス(第三の居場所)を参考に、家庭、学校や職場とは異なる第三の居場所として機能する場をつくり、地域住⺠だけではなくSNSを使って広く県外、海外から活動に関わりたいと集まる個⼈や関係⼈⼝の人々で、公共の課題、過疎化、少⼦⾼齢化、環境問題、経済格差、などに対して、新たな視座を組み込んだ試みを実験する場であり⾃主性と創造性を育てる社会教育実践を⽬的とする。
・関根 正隆さん(長徳寺住職、しばたオイスターバー実行委員長)
・西村 純子さん((株)エフエムしばた代表取締役、街角こんぱす(フリーペーパー)編集長)
・近藤 潤さん(ISEZI Social Design Project メンバー、株式会社suikaka代表取締役、一級建築士、デザイナー)
・五十嵐 萌さん(ISEZI Social Design Projectメンバー、SNS担当)
Q 現在の活動や、これからの取組を教えてもらえますか?
・きっかけは、フランスから帰国した際、日本の田舎の暮らしに「違和感」を覚えたこと。田舎の商店街はシャッター通り。歩いている人や立ち話をする人はほとんどいない。街に活気がないのは、人口減少や経済的なことだけではないのでは?この違和感から、フランスのパリ近郊で人気のサードプレイス(第三の居場所)を参考に、多世代交流の新しい関係性を創造する取組をスタートさせました。
・全国各地で、地域のイベント情報などが集まり、地域の方々や地域外の方々が気軽に出会い、交流できるスポットとなる、「関係案内所」の開設が進む中、ISEZIでもこの案内所機能を持たせたいと思っています。
・現在、暗闇の中(!)での卓球開催や、哲学カフェなど、フランスで得た経験等を活かしながら、独自の取組を進めています。将来的にも、人と人をつなぐ「関係案内所」設置のほか、関係人口のためのスナックや、まちなかのビオトープやシェア畑、実験的な音楽のイベント、高齢者や子どもの居場所づくりなど、様々な視点を取り入れ、地方だからこその豊かさに文化的な要素を加えながら、来る人と住む人のwinwinな新しい関係性を作れたらと思っています。
(関係リンク先)
・ISEZI Social Design Project フェイスブック<外部リンク>
・ISEZI Social Design Project インスタグラム<外部リンク>
・全国各地の関係案内所情報など(総務省)<外部リンク>
・結婚を機に、長岡市から新発田市へ移住してきました。
・宗派を越えた地域の寺院でのイベント「しばた寺びらき」などを企画し、お寺を地域に開く活動に取り組むほか、長徳寺ゆかりの赤穂浪士、堀部安兵衛にちなんだ食のイベント「しばたオイスターバー」を運営しています。その根底にあるのは、「町が衰退してしまってはお寺も必要とされない。町があっての寺である」との思いです。
・新発田は、昔からの料亭文化の流れを汲んでいる影響からか、食のクオリティが高いと思います。新発田市発祥の越後姫や、近年デビューした新発田牛、特産のアスパラガスなど、農畜産物のブランド化と合わせて食の魅力を発信していきたいと思います。
・また、新発田市が進める「食の循環によるまちづくり」は、持続可能なまちづくりを推進していく上でとても大切だと感じています。私自身も家庭でコンポストを設置しており、現在、コーヒー豆のカスを発酵させた肥料の開発に取り組んでいます。
(関係リンク先)
・しばた寺びらき<外部リンク>
・しばたオイスターバー<外部リンク>
・新発田市食の循環によるまちづくり(新発田市)<外部リンク>
・地元の魅力を掘り起こすため、フリーマガジン「街角こんぱす」を発行しています。最近では、紙媒体のみならず、電波媒体(FMしばた)、Web(シバラジ)を連携させ情報発信するシバラジ構想(メディアミックス)により、情報発信力を強化していきたいと考えています。
・ゴールデンウィークには人気パーソナリティによる公開生放送を行い、多くの方が新発田市へ足を運んでくださいました。今後、行政と連携することで、蔵春閣を含めたまちなか回遊など、経済活性化につなげたいと考えています。
(関係リンク先)
・シバラジ(エフエムしばた)<外部リンク>
・街角こんぱす<外部リンク>
・蔵春閣(新発田市)<外部リンク>
・どんなコンテンツがその地域以外の人とつながれるかを見る目が重要だと思います。地域に根差したものでありつつ、地域外の世界が興味を持つ共通項があるはず。それを地域の人に示せれば、地元愛の醸成にもつながるし、旅の動機にもなると思います。
・また、日本の食は「美味しい」という感想をよく聞きますが、「楽しい」と聞いたことがあまりありません。食のエンターテインメントや脳が喜ぶ食事の提供が重要だと思います。
・何もないと感じていた新発田を、何かあるかもしれない、日常生活に楽しみを見いだせる場と肯定的に捉えられるようになったのは、ISEZIの存在が大きかったと思います。
・素朴でかつ、特別と思える場所(ISEZI)の存在は、少しずつSNSや口コミで広まり、色々な方に足を運んでいただけるようになりました。
・普段の生活ではつながることのない関係性を作り出し、更には悩みまで相談できる、居心地のよい場所の提供は、今後の関係人口拡大に重要だと思います。
・写真家、ソーシャルデザインプロデューサー
・パリへ移住し造形美術やファッションフォトグラファーのアシスタントを務め独立。
・雑誌や広告などのポートレートやハイジュエリー・料理の撮影、美術的視点での作品制作や写真を使った美術表現の活動などを行う傍ら、フレンチヴィンテージ自転車イベントの企画・運営にも携わる。
・2021年に帰国。築150年の町家と蔵を使いソーシャルデザインプロジェクトを立ち上げる。
・長徳寺住職、しばたオイスターバー実行委員長
・浄土真宗の本山・東本願寺での勤務を経て、2008年長徳寺の副住職となり、現在は住職。
・宗派を越えた地域の寺院でのイベント「しばた寺びらき」などを企画し、お寺を地域に開く活動に取り組むほか、長徳寺ゆかりの赤穂浪士、堀部安兵衛にちなんだ食のイベント「しばたオイスターバー」を運営。
・街角こんぱす編集長、(株)エフエムしばた代表取締役
・2011年8月より、月刊フリーマガジン「街角こんぱす」編集長。
・2012年5月、街角こんぱす(株)を設立。
・「新発田をもっと好きになるフリーマガジン」をコンセプトに、新発田の魅力を幅広く紙面で紹介し発信する活動を続ける。
・2013年12月、日本フリーペーパー大賞最優秀賞を受賞。
・2022年5月、(株)エフエムしばた代表取締役に就任。
・コミュニティFMと紙媒体、Web等を有機的に連動させた新しい情報発信拠点を立ち上げるべく準備を進めている。
・株式会社suikaka代表取締役(URL:https://suikaka.com/<外部リンク>) 一級建築士・デザイナー
・ロンドンの建築設計事務所で住宅デザインなどを行い、帰国後、株式会社suikakaを創業。
・建築設計だけでなく、グラフィックデザインでも活躍。最近では、古町100選<外部リンク>という町おこしのイベントを主催。
・ISEZI Social Design Project メンバー
・都内の人材系ベンチャーに就職後、現在は新潟市で広告関係のベンチャーで営業事務の傍ら、グラフィックデザイナーとして印刷物や、プロダクトデザインのデザインなども行っている。
・ISEZI Social Design Project メンバー、SNS担当
【座談会を終えて局長つぶやき】
人との関係づくりの拠点を目指すお話などを聴いて、ソサエティやネットワークという無形資産が、地域の魅力として定住や移住の誘因の一つにできるのではと思えました。
市域を越えた展開や連携などを応援したいものです。
今後の関係人口拡大を進めていくための重要なキーワードが卓球台の上を行き交う、とても貴重な座談会となりました。
第2回の座談会は、敬和学園大学にて開催予定です。