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【農業技術・経営情報】野菜:たまねぎ収量向上のためのほ場準備について

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0391319 更新日:2021年2月1日更新

たまねぎの根張り=収量となり、根張りは土壌条件に大きく左右されます。
そこで、定植前に根張りが確保できるほ場準備のポイントについて紹介します。

1 平成30年産土壌断面調査結果

・収量が劣るほ場は土が硬く根ばりが悪い傾向、収量が多いほ場はほ場の土が軟らかく、根が深く張っている。

収量と土壌の硬さ
収量と土壌の硬さの表
※○:5t、△2~3t、×それ以下

土壌断面調査結果の写真

 

2 平成30年産多収農家事例 ~5t/10a~

  1. たまねぎ定植前の早生稲は中干しを強めに行う。
  2. 稲刈り後、堆肥散布後すぐにサブソイラーとスタブルカルチを施工することで作土を確保し、ほ場を乾かす。
  3. アップカットロータリーの成形機で畦を高く上げる。

「作業内容、スタブルカルチ」の写真

「たまねぎ」の写真

 

3 ほ場準備

【ほ場の選定】
・地下水位は50cm以下、暗きょが機能し田面と排水路水面の落差が50~60cm以上確保され、余剰水の排水が可能なほ場を選定

【地下排水対策】
・サブソイラー等の施工で耕盤を破砕し、土壌透水性を高める。

【土壌の膨軟化】
・有機物施用と併せ、スタブルカルチ等により土壌の通気性や透水性の改善を図り、根張りを改善する。

「田面と落水口底面までの落差、ハーフソイラーによる耕盤破砕、有機物不足による土壌表面の固結」の写真

天候不良に対応した栽培方法 ~仮畦~

・天候が安定している時に、仮畦を立てておくと排水が良く定植時に表面が乾きやすい(秋植え、春植えともに有効)。

「春植えの事例。天候が安定した秋に畦立て→定植直前に施肥し、表層を耕耘→耕耘後続けて定植。畦立てしていないほ場は排水不良」の写真

 

4 畦立て

【高畦】
・作業機の幅や畦成形機の高さ、幅を調整して通路が凸凹せず、周囲明渠に排水がスムーズにいくよう高畦とする。

「畦が低いほ場(12月)」の写真

「多収ほ場の設定事例。畦立て時の土壌水分が多いと畦がうまく立たない。出来るだけ溝部分が幅が狭くなるよう隣の畦側にトラクターを寄せる」の写真

 

5 明きょ

【明きょ施工】
・排水の7割は地表排水を占めることから、明きょ施工は必ず行う。
・ほ場の乾きが悪い場合は、早めに額縁明きょを行う。

【明きょを排水口へ】
・畦立ての溝部分からの排水が周囲明きょへ流れ込み、排水口から排水されるようにする。

「周囲明きょから排水口へ排水」の写真
周囲明きょから排水口へ排水

「周囲明きょ無し(2月)」の写真
周囲明きょ無し(2月)

 収量向上のためには根張りを確保できるほ場準備と併せて、(1)葉鞘径3.5mm以上で根鉢形成されている苗、(2)10月15~20日に定植する(定植が遅れる場合は、葉鞘径を確保)、この2点を守ることが必須となります。

 

【経営普及課 副参事(農業革新支援担当) 江口 喜久子】

 

 

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