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【農業技術・経営情報】大豆・麦・そば:麦の雑草対策~多収達成のために雑草管理の徹底を~

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0395407 更新日:2021年2月1日更新

 近年、新潟県の麦類栽培では、越冬期間が暖冬少雪に経過する年が多く、越冬前までに雑草の発生量や生育が大きくなり、越冬後には生育が阻害されて減収する事例がみられています。麦類の多収を達成するために雑草管理の徹底が重要となっています。そこで麦類の雑草管理について説明します。

「麦類の雑草」の画像

1.種的防除 ~麦の雑草管理は早期の排水対策実施と適期 は種から~

 麦類の雑草対策の基本は耕種的防除と除草剤による防除の組み合わせです。耕種的防除としては、まず播種前に発生した雑草は丁寧な耕起により埋没させます。耕起と播種の間に降雨があるとほ場が乾かず播種作業が困難になるので、耕耘同時播種または播種直前の耕起とします。雑草の発生や生育を抑制するには、麦の出芽・苗立ちを良好にして初期生育を促進させる必要があります。そのためには早期の周囲明渠や弾丸暗渠施工による排水対策と適期 は種などの基本技術の徹底が重要です。

2.除草剤防除~発生する雑草種に応じた除草剤の選択を~

(1) は種後土壌処理除草剤

 ドリル播と、全面に散播した後ロータリで覆土耕を行う全面全層播は、種子が覆土されているため、は種後に土壌処理除草剤を使用します。土壌処理除草剤によって、越冬前までの雑草発生量を低く抑えることで、越冬後の雑草害も受けにくくなります。なお、全面播種後の覆土耕を省略した全面表面播の場合は出芽時に薬害が発生するため土壌処理除草剤は使用できません。

 

 表 播種後土壌処理剤の除草効果の事例
「播種後土壌処理剤の除草効果の事例」の表

(2)生育期処理除草剤

 は種後に土壌処理除草剤を散布していない場合や雑草の発生が多いほ場では、越冬後に生育期処理用除草剤が必要です。雑草発生が早いほど積算気温に応じて雑草の葉齢は早く進展します。このため雑草発生が目立つ場合は、消雪後の停滞水を迅速に排除し、ほ場の乾燥を促したのち早めに除草剤を散布します。
 生育期処理用除草剤はアクチノール乳剤、ハーモニー75DF水和剤、バサグラン液剤が使用できます。アクチノール乳剤とバサグラン液剤は1年生広葉雑草には効果が高いですが、スズメノテッポウやスズメノカタビラなどのイネ科雑草には効果が劣ります。ハーモニー75DF水和剤は1年生広葉雑草、スズメノテッポウには効果がありますが、スズメノカタビラには効果が劣ります。このためスズメノカタビラの多発するほ場では、は種直後の土壌処理剤であらかじめ確実に防除しておく必要があります。

(3)除草剤使用上の注意 ~薬害発生を防止し除草効果を高めるために~

  • 砕土・整地を丁寧に行うことで土壌処理除草剤の処理層がムラなく形成され、除草効果が高まります。
  • 排水不良などの過湿状態や散布前後に強雨が予想される場合は使用を避け、麦への薬害を防ぎます。

※本文に掲載された農薬は令和元年9月1日現在の農薬登録情報をもとに作成しています。農薬の使用に際しては必ず適用作物や土壌、使用時期など登録内容を確認し、注意事項も確認して使用してください。

 

【経営普及課 農業革新支援担当 東 聡志】

 

 

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