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【農業技術・経営情報】環境保全型農業:ASIAGAP認証取得農場(事例)について

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0394356 更新日:2021年2月1日更新

 日本発のGAP認証プログラムであるASIAGAPが、GFSI(Global Food Safety Initiative)のベンチマーク要求事項を満たした規格として、平成30年10月31日に承認されました。
 このGFSI承認により、ASIAGAPが国際的なGAP認証プログラムと認められることとなりました。日本GAP協会では、ASIAGAPをアジア共通のGAPのプラットフォームとすることを目指して取り組むとのことです。
 この承認を受け、新潟県でもASIAGAPの認証取得を目指す農場が増加することが期待されますので、株式会社ひだまり農産が平成30年度に認証を取得するまでの取り組みについて紹介します。

岩船米の産地で、良質米の生産と地域農業の維持をめざす
株式会社ひだまり農産

 株式会社ひだまり農産は、村上市荒島(旧荒川町)で、水稲・大豆・園芸作物(ブロッコリーやえだまめ等)の生産・加工販売、農作業受託を営む法人です。基幹的従事者は5人で、20才代の若い社員3人を雇用しています。作付け面積は水稲54ha、大豆1ha、他に園芸で、年々受託面積が拡大しており、荒島集落の約7割の水田に至っています。(平成30年度時点)

「株式会社ひだまり農産」の写真

 

農産物の、より高度な栽培工程管理と従業員の労働環境の整備をめざして
GAPを導入

 株式会社ひだまり農産は「農産物の、より高度な栽培工程管理の手法や従業員の労働環境等の整備」を目的にASIAGAPに取り組み、平成30年7月に認証を取得しました。コストと労力をかけてGAPに取り組むなら国際水準であるASIAGAPの取得に目標を定め、実質1年半程度の期間をかけ、認証取得に至りました。

若手社員と話し合いを重ね農場のルールを作成

 認証取得までの間、農業普及指導センター、JAと一緒に準備を進め、予備審査はすでに認証取得した法人の協力を得て行いました。特に時間をかけたのは農場管理マニュアルで、若い従業員と話し合いを重ねて作成しました。帳票類や作業記録はソリマチ株式会社のフェースファームを利用しています。

経費は最小限に、必要なところにはきちんと投資

 認証取得に要した経費(予備審査、本審査、登録手数料等)は約20万円でしたが、市の助成があったので、実質10万円程度で済みました。その他に、燃料タンクの防油堤を自作しています。また農薬保管庫は当初、乾燥調製施設の中とする予定でしたが、基準を満たしていなかったため、今後のことも考えて、倉庫を新設しています。
 審査では、倉庫の中の農薬と肥料の置き場を明確に区分(ラインを引くなど)することや、燃料の保管は金属製容器を使うようにとの指摘がありましたが、今は改善されています。

営業の方から「きれい」とほめられることが多くなった

 GAPに取り組んでから、日々の記録が煩わしく思うこともあるようですが、会社のルールが明確になり、若手従業員が自分で気づくようになるなど成長が見られたり、無駄が解消されています。川村代表取締役は、「苗箱の必要数の把握精度が上がり、かなり苗箱の無駄を省くことができた」と語っていました。また、国道沿いに事務所があるため営業の方が訪れる機会が多く、「きれいに管理されていますね」と、よくほめられるそうです。

 

【経営普及課 農業革新支援担当 吉川 力】

 

 

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