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【農業技術・経営情報】花き:中山間地域における斑入りアマドコロ切り葉の9月~4月出荷作型

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0402473 更新日:2021年2月1日更新

 斑入りアマドコロの切り葉は、新潟県では主に中山間地域の露地栽培で6~9月に出荷されている品目です。生け花等の添え物として周年の需要があることから、一部地域では、施設を利用して秋~春にかけて出荷されていますが、根株の堀取り時期や定植前の低温処理方法等、栽培技術は未確立で、生産は不安定となっていました。

 そこで、平成25年度の新潟県農業総合研究所の研究成果から、9月~4月に出荷する栽培技術について紹介します。

「アマドコロ」の写真

1 促成栽培(3~4月出荷)

  1. 11月上旬以降に根株を堀上げ、ピートモスでパッキングした後、5℃で6~8週間冷蔵した後に定植します(図1、図2)。
  2. 根株の堀上げ時期が遅いほど収穫日はやや遅くなりますが、草丈、地際茎径、最大葉縦長などの切り葉品質は向上します。そのため、早期出荷を目指す場合であっても、切り葉品質を維持するためには11月上旬以前の早堀りをしないことが重要です(表1)。

図1 斑入りアマドコロの作型と作業時期
図1「斑入りアマドコロの作型と作業時期」

 

図2 栽培作業の流れ
図2「栽培作業の流れ」

 

表1 促成栽培における根株の管理方法と切り葉の品質
表1「促成栽培における根株の管理方法と切り葉の品質」

2 株冷抑制栽培(9~2月出荷)

  1. 11月下旬に根株を堀上げ、ピートモスでパッキングした後に氷温貯蔵(-1.5 ℃)します(図1、図2)。これにより、芽の生育が休止した状態を長期間維持することができます。
  2. この根株を翌年の8月以降に順次解凍して定植することで、9月以降、促成栽培の収穫が始まる前までの時期の出荷が可能となります(表2)。
  3. 根株の氷温貯蔵費用の節減のために、秋に堀上げた根株を軒下など外気に触れる場所に置いて自然凍結させて冬期間保存し、ピートモスが自然解凍しないうちに氷温貯蔵庫(-1.5 ℃)に搬入することも可能です(表3)。
  4. 冬期間における株冷抑制栽培では、発芽の不揃いや欠株を防止するために定植から葉の展開前までは最低12 ℃を目安に加温します。また、葉の展開後も低温によって葉のよじれが生じやすいので最低10 ℃を目安に加温することが必要です。

 

表2 株冷抑制栽培の定植時期と切り葉の品質(平成24年)
表2「株冷抑制栽培の定植時期と切り葉の品質(平成24年)」
1)試験区内の花が枯れ、叩いて全てが落下した頃。

 

表3 株冷抑制栽培における根株の低温管理方法と切り葉品質(平成24年)
表3「株冷抑制栽培における根株の低温管理方法と切り葉品質(平成24年)」
1) 3月6日まで軒下に置き、その後氷温貯蔵庫(-1.5℃)に搬入。
※ 定植は平成24年10月14日、収穫は12月3日。

 

【経営普及課 農業革新支援担当 小田 正之】

 

 

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