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【農業技術・経営情報】6次産業化(加工):果物の加工について

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0400335 更新日:2021年2月1日更新

 秋に向けて、桃や梨、ぶどう等の果物が次々と旬を迎えます。生のままのみずみずしい食感を楽しむほか、加工することによって、規格外の果実の有効利用や長期間の保存、菓子原料などの一次加工品としての販売も可能になります。

 今回は、ラミネート包装フィルムを使用したシロップ漬けの加工方法を紹介します。この技術が応用できる果物は、桃・梨・ブドウ・りんご・ルレクチエ・キウィフルーツ等です。ただし、キウィフルーツは、添加する有機酸の影響により黄変します。
 品質を保持するためには、pH調整と加熱殺菌時間の確保が重要管理点になります。

加工手順と留意点

「加工手順」の図

1 果物の処理について 

 果物中には、フラボンやタンニン、アントシアンといったポリフェノール類が含まれており、皮を剥いたり、切ったりして空気にふれることによって、酵素反応が起こり、酸化し褐変します。褐変を防ぐためには、皮を剥き、適当な大きさにカットしたら、すばやく0.2%程度のビタミンC液(VC液)やクエン酸液等の有機酸水溶液に浸漬します。均一に加熱するため、なるべく厚みを揃えてカット・成形します。
 また、包丁や容器はステンレスを使用します。鉄類はポリフェノールと反応し、褐変の要因となるため使用しないでください。

2 シロップ液の調整

 シロップ漬けの仕上がりの糖度を決めます。(おおむね18~22%)
 次に、素材の果物の糖度を測定します。
 1袋あたりの固形量とシロップ量(350g:200g)を決め、シロップ液の糖度を求めます。

計算式と計算例の画像

 食味の向上及び品質安定のため、シロップ液がpH4以下になるようにクエン酸やVC(各0.3%程度)を添加します。pHメーターで測定し確認してください。

3 充填(袋詰め)

 使用するラミネートフィルム袋は、耐熱性があり酸素透過度がゼロに近いもの、ヒートシール性が良好で真空包装、水物包装でのピンホール性に優れるものを使用します。
 カットした果肉とシロップ液を果肉の厚みが均一になるように調製して袋詰めし、なるべく空気を抜いてシールをします。真空包装機が利用できる場合は、シロップ液量は果肉重量の20~30%が目安です。
 りんごなど細胞中の含気が多い果物は、予め加熱し細胞内の空気を抜いておきます。

4 加熱殺菌

 沸騰したお湯で袋ごと約20分間加熱します。(内容量や果肉の厚みによって加減して下さい。)
 加熱する容器(鍋)は、なるべく大きなものでたっぷりのお湯で加熱してください。加熱ムラを防ぐためにゆるく撹拌します。
 お湯が少ないと、沸騰後、袋を入れることによって水温が大幅に下がり、再沸騰するまでの時間が長くなり品質の劣化につながります。また、加熱不足になると袋の膨れやシロップ液の濁りを生じますので、沸騰後の加熱時間を確認してください。

5 冷却

 流水等により、なるべく早く40度以下まで冷却します。

6 保存・検査

 常温でも保存できますが、退色等の要因となるので冷蔵保存がよいでしょう。シロップ液が果肉に浸透する2週間以降が食べ頃となります。賞味期限の目安は3ヶ月程度となります。

 

 ラミネートフィルム袋によるシロップ漬けを菓子・デザートとして、又は、業務用の一次加工品として販売する場合、その使途により食品衛生法や新潟県食品衛生条例による製造又は加工の許可が必要な場合がありますので、最寄りの地域振興局健康福祉(環境)部(保健所)、(新潟市の場合は、保健衛生部(保健所)食の安全推進課)に、確認をして下さい。

 

【経営普及課 農業革新支援担当 河内 由紀子】

 

2017年8月10日 農業大学校農産加工基礎研修(シロップ漬けの理論と実際)より

「カットと同時にVC液に浸漬する皮剥き・徐核・カット(写真は桃)」の写真
カットと同時にVC液に浸漬する
皮剥き・徐核・カット(写真は桃)

「フィルム袋に入れ、シロップを注入」の写真
フィルム袋に入れ、シロップを注入

「なるべく空気を抜いてヒートシール」の写真
なるべく空気を抜いてヒートシール

「沸騰水に入れ、再度沸騰後20分加熱(写真はいちじく)」の写真
沸騰水に入れ、再度沸騰後20分加熱(写真はいちじく)

「40℃以下まで流水中で急冷」の写真
40℃以下まで流水中で急冷

「出来上がり(左からいちじく・桃・キウイフルーツ)」の写真
出来上がり(左から いちじく・桃・キウイフルーツ)

 

 新潟県農業大学校では、年間を通じて農産加工基礎研修を実施しております。詳細は、農業大学校にお問い合わせください。

 

 

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