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森林研究所たより 野生ナメコの色々(林業にいがた2018年06月号記事)

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0058618 更新日:2019年3月29日更新

スーパーなどで売っているナメコは、つぶがそろっていますよね。これらは、生産に適した品種で、ちょうどよい大きさに育ったものを収穫し、ふるいにもかけているので、品質が一定なのです。

ところで店頭のナメコも、元々は山に生えていた野生種を改良したものです。今もナメコの改良には、野生のナメコを集めてきて、これと栽培種をかけ合わせるなどすることがあります。これは、野生種の中でも、収量や育てやすさなどの優れた性質を持つ遺伝子を取り込みたいからです。

しかし、どんな性質を持っているかは、育ててみなければわかりません。そこで、採取したナメコを、一般的に生産される方法で一度育ててみて、優れた性質をもつものを選抜していくのですが、中にはスーパーで目にするナメコとはかなり違うものも育ちます。今回はそんな個性的なナメコたちを紹介します。

傘の形

野生のナメコ((1)以外)の画像
写真1 野生のナメコ((1)以外)

写真1をご覧ください。栽培品種(1)は横から見ると半円形が一般的です。栽培条件や成長段階にもよりますが、頂部が平らになるもの(2)や、もちろんきれいな半円形のもの(3)(4)、更には三角形になるもの(5)もあります。変わったところでは、しわになるもの(6)もありました。

柄(軸)

最近は店頭で柄の長いものも見かけます。栽培条件で長くなる場合も考えられますが、元々長くなるもの((2)(3)等)も多いのかもしれません。一方余り長くならないもの(6)もあります。

本数と大きさ

通常の栽培品種は、ひとつの培養ビンに多い品種で百個以上収穫できますが、野生種を育てたら極端に少ないもの(7)(8)もあり、その分大きなきのこになることもあります。多いもの(9)は、細かいものがびっしり出ましたが結局通常の大きさにはなりませんでした。

野生ナメコは、実は意外と個性的ですね。

おまけ・育ちすぎると?

育ちすぎたナメコの画像
写真2 育ちすぎたナメコ

ナメコの収穫は、通常傘の下の膜が切れる前に行います。これは、うまみが比較的多い胞子が飛ぶ前であることと、胞子が飛ぶと栽培室が胞子で汚れることなどからです。しかしここで収穫せずに更に育てて見たらどうでしょう? 写真2のように、実は結構大きくなります。大きなものは直径5センチメートル位になります。

※写真1の各番号は、本文中では(1)~(9)に置換えています。

きのこ・特産課 皆川勝之

 

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