ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 トップページ > 新潟県森林研究所 > 森林研究所たより エノキタケ「雪ぼうし」とブナシメジ「越のわらべ」市場デビュー!(林業にいがた2007年3月号記事)

本文

森林研究所たより エノキタケ「雪ぼうし」とブナシメジ「越のわらべ」市場デビュー!(林業にいがた2007年3月号記事)

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0058547 更新日:2019年3月29日更新

 皆様も各方面で既にご存じのことと思いますが、県産品種のエノキタケ「雪ぼうし2号」とブナシメジ「越のわらべ」が今冬に市場デビューを果たしました。長年の研究の成果がやっと日の目を見たのです。

 「雪ぼうし2号」は既存の「雪ぼうし」の後継として平成17年に品種登録出願いたしました(市場には「雪ぼうし」の名で売り出しています)。「越のわらべ」は平成14年に品種登録をしたものです。偶然ですが、一気に2つの県産品種が市場に登場したことになります。

 「雪ぼうし2号」が市場に出るまでの道のりは順調なものとは言えませんでした。「雪ぼうし2号」は従来品種と栽培のコツが異なるため、安定生産を行うまでには生産者の方に多大な努力とご苦労をお掛けしました。しかしその甲斐あって、無事流通ラインに乗せることが出来ました。この場をお借りして、生産者さんには厚く御礼を申し上げます。

 「越のわらべ」に関しては私は直接開発には携わっていないので大きな顔は出来ませんが、栽培しやすく収量性もある良い品種だと思います。おかげで今回、劣化した既存品種の代わりを探していた生産者さんに使ってもらうことが出来ました。以前に「越のわらべ」の試験栽培をしたことがあったため、手を出しやすかったということもあると思いますが、この時点で使用できる品種がなかったら、当所では何のお手伝も出来なかったかもしれません。やはり、いざという時に優良な品種が存在しているということは重要なことなのだと改めて感じました。

 さて、肝心のセールスポイントですが、「雪ぼうし2号」は従来の品種より茎が太くてシャキシャキとした食感が楽しめます。甘みもあって、日持ちも良いのが特徴です。「越のわらべ」は食感も良く、苦みのない品種ですので、お子様にも安心して食べてもらえます。これからは「きのこなんてどれも同じ」と思わずに、ちょっと選んで買ってみませんか?まだ生産量が少ないため、一部の店舗でしか購入できないのがネックですが、これから徐々に生産量を増やせるように努力していきたいと思います。

 エノキタケ・ブナシメジともに市場化の第一歩を踏み出したわけですが、まだまだ課題は山積しています。生産者拡大のために、栽培特性の解明を目指すとともに、より良い後継品種の開発を今後も進めていきたいと思います。

「雪ぼうし」の出来具合を確かめる生産者さんの画像
「雪ぼうし」の出来具合を確かめる生産者さん

「越のわらべ」出荷中。シールは変更、名前が付きますの画像
「越のわらべ」出荷中。シールは変更、名前が付きます。

きのこ・特産課 武田綾子

<外部リンク> 県公式SNS一覧へ