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森林研究所たより 2005(平成17)年度の試験研究(林業にいがた2005年4月号記事)

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0058562 更新日:2019年3月29日更新

 新規課題の設定手順は、林業関係者、団体、行政などからの課題化要望を4月上中旬にとりまとめ、県農林水産関係試験研究推進構想に照らし、また必要性、緊急性などから、課題候補が選定され、県農林水産技術会議で課題化が決定される。そして予算化が認められて初めて試験に着手することになる。

 2005(平成17年)年度の試験研究課題数は、受託調査、事業を除き、20課題となっている。そのうち、新規課題は4課題、残りは継続課題である。ここでは、新規課題を中心に研究内容を紹介する。

1 2005(平成17)年度の新規課題

  • 里山林(広葉樹二次林)の有効活用に向けた整備方法及び育成技術の確立
     里山林は、ナラを主体にした広葉樹二次林で、面積、蓄積とも大きく、森林資源、公益的機能発揮として、きわめて重要である。空間利用等新たなニーズに対応した育成技術や用材林へ誘導するための密度管理技術の開発を行う。
  • コシアブラの栽培技術の確立
     中山間地域の活性化を図るため、地域の特色を生かした特産物の開発が望まれている。県内中山間地には多種多様な山菜類が自生しているが未利用のものが多い。その中でコシアブラは若芽の独特の香りと旨味などから、注目されており、栽培技術を確立し普及を図ろうとするものである。
  • 木質バイオマス利用のための燃料特性試験
     バイオマス利用の推進が県の主要課題となっている。スギ林の伐採や広葉樹林の整備などで生じる未利用木質バイオマスやきのこ廃菌床などをエネルギー資源として有効に利用するための基礎データとして、主用樹種の含水率、発熱量、灰残率を把握するものである。
  • 有用広葉樹母樹林の種子生産力調査
     広葉樹林の多面的機能の発揮のために多様な施業が必要となっており、遺伝的特性保護の立場から、地域樹木集団を母樹とした種子、苗木生産の整備が求められている。しかし、広葉樹の種子生産生態は多岐にわたり、種子生産開始齢が高い樹種や豊凶の間隔などデータの集積が必要である。主要樹種の開花・結実状況の把握と間伐や施肥が開花結実周期、結実量に与える効果を把握する。

コシアブラの若芽の画像
写真 コシアブラの若芽

2 主な継続課題

 林木育種関係では、花粉症対策として無花粉のスギ品種の育成、マツノザイセンチュウ抵抗性品種の育成などに取り組んでいる。

 森林保護関係では、近年被害量が急増しているナラ枯れやヒノキ漏脂病被害対策の確立に取り組んでいる。

 林業機械関係では、間伐用、育林用の高性能林業機械関係の調査研究を進めている。 木材加工関係では、県産材の利用拡大を図るため、平割材を用いた住宅用構造用部材の開発や間伐材の利用促進を図るための新たな仕様基準の開発に取り組んでいく。

 きのこ関係では、エノキタケ「雪ぼうし改良品種」と「ナメコ新品種」の開発が進んでおり、品種の選定と普及定着をすすめる。

3 その他

 3月末に、研究報告第46号が発刊となり、試験研究の成果として15編が報告されているので、是非活用していただきたい。また7月には研究成果発表会、10月には一般公開を実施する計画であり、多数の参加をお願いしたい。

きのこ・特産課 篠田 茂

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