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においを低減させる方法の一つとして、ポリフェノール化合物を含む植物抽出物を使うことで消臭効果が得られることが知られています。
そこで今回は新潟県産の農水産物からポリフェノールを含有していると考えられる柿渋と海藻のツルアラメを用いて魚臭を低減させる技術開発を試みました。
消臭効果を確認する対象の魚については、かねてから生産地でも魚臭が強いといわれ課題となっているカレイ科のソウハチと大衆魚の代表格であるアジ科のマアジを選抜し、その加工品である一夜干しを製造して効果の有無を確認しました。
基準となる通常の食塩水で製造した無添加の一夜干しとアラメ浸漬液あるいは柿渋浸漬液で製造した一夜干しについて、どちらがどのサンプルかわからないように臭いを比較して、魚臭がより強いと評価されたものの結果を図に示しました。
左の2つのグラフはアラメの浸漬液で製造した一夜干しの結果を示し、比較した無添加の一夜干しに比べて魚臭が強いという回答割合がソウハチで71パーセント、マアジで83パーセントとなりました。
一方、右の2つのグラフは柿渋浸漬液で製造した一夜干しの結果を示し、無添加の一夜干しに比べて魚臭が強いという割合がソウハチで58パーセント、マアジで71パーセントとなりました。
これらの結果から、魚臭が強いとされたものはいずれも無添加の一夜干しであり、アラメ浸漬液や柿渋浸漬液で製造した一夜干しは魚臭が低減されていると評価されていました。
上のグラフは一般の消費者の方を対象として官能評価を行った結果で、令和5年8月26日に県水産海洋研究所の一般公開イベントの来場者の中で官能評価試験への参加を希望された72名の方の試験結果になります。
試験にはソウハチの一夜干しを用いましたが、アラメ浸漬液と通常の食塩水で製造した無添加の一夜干しを比較した場合、無添加の一夜干しの方が魚臭が強いという割合が67パーセント、また柿渋浸漬液の場合も無添加の一夜干しの方が魚臭が強いという割合が65パーセントで、一般消費者の方でも無添加区の一夜干しの方が魚臭が強いと回答される割合が高いという結果になりました。
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