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かき「突核無」は、新潟県佐渡島で発見されたおけさ柿「平核無」の突然変異した小型の柿です。
果実の大きさはゴルフボール程のミニサイズで外観は「平核無」と同様ですが、種子が無く、皮を剥かずにそのまま食べられるのが特長となっています。
しかし、「突核無」は脱渋後の流通期間が短く、また、炭酸ガス脱渋条件の最適化がされておらず長期貯蔵中の軟化が問題となっていました。
そこで、1月中旬まで「突核無」を長期貯蔵するための脱渋処理条件並びに貯蔵法の検討を行いました。
「突核無」は、県内のかきの中でも早期に収穫期を迎える品種で、9月下旬頃に基準の果皮色で収穫し、2日間以内に庫内温度25℃、12~18時間の炭酸ガス処理を施し脱渋を行います。
完全脱渋を確認後、果実を120μm厚の低密度ポリエチレン(LDPE120)袋へ容積率が30%程度となるように入れて密封し、0℃で貯蔵することで嵌合容器包装の形態で1月中旬まで出荷できます。
「突核無」は、アルコール脱渋と炭酸ガス脱渋への反応性が異なり、炭酸ガス脱渋の方が、日持ち性が向上することを確認しています。
上の図が示すように、「突核無」の日持ち期間は12~18時間の炭酸ガス処理により完全脱渋後で9~10日間と最も長くなります。
また、同様の条件で処理することにより、120日間貯蔵後の日持ち期間も冷蔵流通で7日間となります。
上の表は長期貯蔵を行った「突核無」の果実性状をまとめたものです。
脱渋処理を行った直後の「突核無」は、果皮色のa*値も低く、赤味がやや不足していますが、果肉硬度が1.29kgと硬いしっかりした果実となっています。
令和5年度の果実は、酷暑の影響を受けて早期に軟化が進み流通期間の短い果実でしたが、LDPE120の袋を使用することにより包装内のガス組成が鮮度保持可能な低酸素・高二酸化炭素濃度となり、120日貯蔵後も貯蔵前と同等な果実性状として保持できました。
120日間保存した外観品質を見ると、外装の厚さによって果実に対する影響に差があり、果実硬度にも影響しています。
LDPE30、LDPE60では、果実が赤くなり軟化し始めており、LDPE80でも果実間の果皮色がまばらになっています。
それに対してLDPE120では果皮色に僅かにばらつきがあるものの、収穫時と同等の品質になっています。
「突核無」は透明なプラケース及びOPP素材などを組み合わせた容器に詰めて流通させることが可能です。
写真は、炭酸ガス処理した後の果実を容器に入れてみたものですが、容器毎に所定の厚さのポリ袋で包装しても問題ありません。
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