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上の写真が現行型、下の写真が旧型の自動給水機になります。
この自動給水機の特徴としては、ししおどしのようにホースが上下することで給水する設計になっており、給水部にゴミが詰まりにくいことや、設置・撤去が比較的容易であることがメリットです。
この自動給水機は、フロート式の水位センサーにより水位を設定する仕組みになっており、フロート(浮き)が水面で上下し、
上限や下限を設定したセンサーに当たるとかん水または止水します。
自動給水機を用いて慣行と同程度の水管理ができる水位設定の目安は、田面が半分程度見える状態を水位0cmとして、設置から中干し開始までの湛水管理は田面+1~+4cm、中干し終了後の飽水管理は田面ー5~+3cmになります。
設置する際の留意点ですが、まずは開水路で常に用水が取水可能なほ場を選定してください。
また、水位センサーは、緑色のクリップを上下に動かして上限/下限の水位を設定しますが、フロートにゴミが挟まり動かなくなると水位センサーが働かなくなるので必ずネット等で囲うようにしてください。
取水口にもネットを設置すると、よりゴミ詰まりのトラブルを少なくすることができますが、ネットにゴミが溜まったら取り除いてください。
飽水管理とは、やや浅水にかん水し、足跡に水が残る程度まで自然減水したら再度かん水を行う水管理のことですが、自動給水機で飽水管理を行うためには、田面下で水位設定をする必要があります。
そのため、VU100規格の塩ビパイプを10cmの長さで切ってドリルで8mm径の穴を開けたものを自作して田面に埋め込み、中の泥をかき出してから水位センサーを設置して田面より下に水位が設定できるようにしています。
なお、ほ場全体に水が行きわたるよう、給水部と溝切りの溝を接続しました。
上のグラフは田面下10cmにおけるpF値を示しています。
pF値とは、土壌中の水が毛管力によって引き付けられている強さの程度を表す値で、土壌が湿っているほど低く、乾いているほど高くなります。
水稲の外観品質は、登熟期のpF値が1以上の乾燥状態で低下すると言われていますが、自動給水機を用いた場合も手動給水と同等以上にpF値1未満を維持できることが分かりました。
開水路の水位に合わせて自動給水機の高さを調整する必要があるため、取水条件が自動給水機に合ったほ場の選定に留意してください。
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