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高校生に建設産業の魅力と重要性について理解を深めてもらうため、「身近な社会資本の見学会」を開催しました。
今回は新潟県立新発田南高等学校(土木工学科土木コース)の生徒を対象に、山の下閘門排水機場と鳥屋野潟築堤工事の2か所について、座学のほか、体験型の見学や若手技術者への質疑などを行いました。
ゼロメートル地帯の広がる新潟市内において、今回見学した2か所は洪水を防ぐための大変重要な施設ですが、普段そのことを気にすることはあまりないと思います。このように社会資本(インフラ)の多くは、あって「当たり前」であり、それを支えている建設産業は「縁の下の力持ち」であることを学んでいただきました。
新潟県における建設産業には、地域の安全・安心を担う産業、地域の暮らしを支える産業、地域経済・雇用を下支えする産業、という3つの役割が求められています。これら役割を果たすことで、今世界中で進められているSDGs達成への貢献につながることが期待されています。高校生の皆さんには、将来、このように県民の生活にとって重要な建設産業の担い手の一人になってもらえることを期待しています。
本見学会は、NPO法人にいがた地域創造センターの協力を得て、開催しました。
開催日 | 令和7年9月3日(水曜日) |
内 容 |
1 山の下閘門排水機場 2 鳥屋野潟築堤工事 |
参加生徒 | 新潟県立新発田南高等学校 土木工学科土木コース 2年生21名 |
1 山の下閘門排水機場
■屋内学習
山の下閘門排水機場会議室において、建設産業の役割と排水機場の役割についての座学を行い、暮らしを支える社会資本の役割や建設産業の魅力、最新技術による将来性について学びました。
通船川は新潟地震による被害の復旧にあたり河床を掘り下げて常時水位を-1.65mとし、排水機場を設けることで水位0.6mの信濃川へ排水するという低水路方式が採用されました。また、航行する船舶が引き続き信濃川と通船川を行き来できるよう、機場には閘門が設けられました。山の下閘門排水機場は、365日、24時間体制で職員が常駐・監視し、絶えず排水を行っています。
■現場見学(乗船体験)
通船川の船着き場から乗船して「山の下閘門排水機場」の閘門を通航することで、通船川の水面の高さが信濃川より約2m低くなっている水位差を体感しました。
閘門は、前後の扉を開閉することにより船のエレベーターの役割をします。
通船川側の扉を閉め、信濃川側の扉を開けると、水位が上がってきます。
下の2枚の写真を比べると、閘門内の水位が高くなっていることがわかります。
その後、閘門を通過し下流側に架かっている橋(山の下橋)の下を通航し、新潟西港の方へ向かいました。
最後にもう一度閘門に入り、水位の低い通船川の船着き場へ戻りました。
2 鳥屋野潟築堤工事
■屋内学習
鳥屋野潟の流域では度々洪水による被害が生じており、特に近年では、平成10年8月に発生した水害により2,078haが浸水、593戸の家屋で床上浸水の被害が生じました。築堤工事は流域を水害から守るために、令和6年から工事に着手しました。築堤により鳥屋野潟に多くの水を貯めることで、水害を軽減するという『器』を整備する事業であり、自然環境・景観の保全に配慮し、身近な”鳥屋野潟”であり続けるように、利便性や快適性を確保することを整備の実施方針としています。
発注者(新潟地域振興局地域整備部)、受注者(株式会社本間組)が事業の概要や工事の内容を説明した後、受注者の同高校卒業生の社員や新入社員の皆さんから建設産業への就業についてのアドバイスを伺いました。
高校生の皆さんからは、「仕事のやりがい」や「高校生のうちに必要な資格」、「コミュニケーションで気を付けていること」などの質問があり、それに対して本間組の若手技術者の皆さんからは、しっかりと回答していただいきました。
■現場見学
鳥屋野潟築堤工事の現場では、仮設の鋼矢板打設作業を見学しました。高校生の皆さんからは、現場でも積極的な質問があり、理解を深めていたきました。