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米粉の用途別基準と新規用途米粉の用途別推奨指標について
米粉の用途別基準について
平成29年3月29日、農林水産省は、平成28年度委託事業「食の魅力発掘による消費拡大のための国民運動推進事業」により策定された「米粉の用途別基準」を公表しました。
今後は、米粉製造業者など米粉の生産・利用・普及に取り組む関係者の組織する団体により、当該基準が活用され、その利用・普及が図られることとされています。
- 【農林水産省HP】米粉の用途別基準及び米粉製品の普及のための表示に関するガイドライン(通知)<外部リンク>
- 【農林水産省HP】米粉の情報<外部リンク>
新規用途米粉の用途別推奨指標について
新潟県では、「米粉の用途別基準」(平成29年3月、農林水産省公表)に先立ち、平成24年2月に「新規用途米粉の用途別推奨指標」を策定しています。
これは、新規用途米粉(パン・洋菓子・麺などの小麦粉と同様の利用を目的とした米粉)の質の向上と米粉ユーザーの利便性の向上を図り、米粉の食文化を定着させることを目指したもので、米粉関連事業者の方々を中心に活用されてきました。
本ページでは、「新規用途米粉の用途別推奨指標」について、詳しくご紹介いたします。
目的
- 製粉技術の進歩を背景に、小麦粉と同様の利用を目的とした新たな品質の米粉(新規用途米粉)が誕生し、需要が飛躍的に拡大。しかし、どのような品質の米粉がどの用途に適するか、米粉の関係者間でも明確となっていない部分が多い。
- 新規用途米粉の需要をさらに拡大していくためには、用途別に適する米粉の指標を示すことで、米粉を使った商品の品質の向上を目指すとともに、米粉の質の向上・米粉ユーザーの利便性の向上を図り、米粉の食文化を定着させていくことが重要。
- 本指標が製粉企業とユーザーのコミュニケーション基盤として活用されることにより、指標に適合する米粉が広く流通し、かつ、これらの米粉を用いた品質の高い米粉製品が次々と誕生する状況を導くことを目指す。
用途別推奨指標の対象となる米粉
区分(※) |
原材料 |
種類 |
主な用途 |
指標化 |
---|---|---|---|---|
生粉製品 |
うるち米 |
新規用途米粉 | パン、めん、ケーキ、その他 |
指標化の対象 |
上新粉(上用粉) | 団子、すあま、柏餅、草餅、ういろう等 |
従来の米粉 |
||
もち米 |
白玉粉 | 餅団子、しるこ、求肥、大福餅 | ||
もち粉(求肥粉) | 餅団子、しるこ、求肥、大福餅 | |||
糊化製品 |
うるち米 |
みじん粉 | 和菓子 | |
上南粉 | 和菓子 | |||
乳児粉(α化米粉) | 乳児食、重湯 | |||
もち米 |
寒梅粉(焼きみじん粉) | 押菓子、豆菓子、製菓用、糊用、重湯用 | ||
らくがん粉(春雪粉) | らくがん | |||
その他 | 和菓子、桜餅、おはぎ餅、玉あられ、おこし等 |
※生粉製品:米を生のまま粉にする製法
糊化製品:熱を加えて米の質を変化させた後、粉にする製法
用途別推奨指標を検討する品目
食糧用小麦の約9割を輸入に依存している状況で新規用途米粉の需要拡大を図るためには、まずは小麦粉と同様の利用が有効であることから、小麦粉全体の需要の約8割を占める、(1)パン、(2)洋菓子、(3)麺の3用途について、指標を定める。
用途 |
パン |
菓子 |
麺 |
家庭用 |
味噌・ |
合計 |
---|---|---|---|---|---|---|
需要量 |
156万トン |
76万トン |
183万トン |
114万トン |
16万トン |
545万トン |
割合(%) |
29万トン |
14万トン |
33万トン |
21万トン |
3万トン |
100万トン |
農林水産省「米粉利用の推進について」改編
新規用途米粉の用途別推奨指標の内容
小麦粉用途(パン、ケーキ、麺)に適する新規用途米粉の指標は、以下のとおり。
- 共通指標
- 粒度:粒径75μm以下の比率が概ね80%以上
- 澱粉損傷度:米粉製品の品質に大きく影響するため総じて低いほど望ましく、概ね12%以下(米粉の配合割合の高い製品を製造するためには、概ね6%以下が望ましい)
- 水分含有率:15%以下(米の農産物検査規格に準ずる)
- アミロース含有率による指標
区分 |
アミロース含有率 |
用途 |
---|---|---|
硬質米粉 |
25%以上 |
ケーキ(ブランデーケーキなどシロップ等に浸しても形状保持が必要なもの) |
麺(スープ・つゆに入れて提供するもの) | ||
中質米粉 |
15%以上 |
パン |
ケーキ(スポンジケーキ、ロールケーキなど) | ||
麺(つけ麺などスープ・つゆと別に提供するもの) | ||
軟質米粉 |
15%未満 |
ケーキ(シフォンケーキなど食感の柔らかさを重視するもの) |
※用途別推奨指標の基礎となる米粉の分析法
- 粒度:ロータップ型ふるい振とう機により、ステンレス製試験用ふるい(JIS Z 8801-1時20分06)で米粉50gを30分間振とう
- 澱粉損傷度:澱粉損傷度測定キット(Megazyme)による
- アミロース含有率:フリアーノのヨウ素呈色法による
※用途別推奨指標の基礎となる米粉製品の製造条件
用途 |
原料・配合割合(%) |
製造方法 |
---|---|---|
パン |
米粉ミックス 100%(米粉85:グルテン15 重量比) 圧搾酵母 2% 砂糖 5% 食塩 2% ショートニング 5% 水 73~78% |
ワンローフ型食パン |
ケーキ |
米粉 100% 全卵 200% 砂糖 100% 無塩バター 15% |
共立法 |
麺 |
米粉 30% 強力粉 70% 食塩 2% 水 40%~45% |
ロール製麺方式 |
用途別推奨指標の策定経過
- 外部有識者11名で構成する「新潟県米粉規格化検討委員会」(座長:新潟大学産学地域連携推進センター 大坪研一センター長)で計3回、内容を検討
- 開催日
- 第1回 平成23年6月17日(金曜日)
- 第2回 平成23年9月21日(水曜日)
- 第3回 平成24年2月13日(月曜日)
- 会場
新潟県庁会議室
新潟県米粉規格化検討委員会 委員名簿[PDFファイル/55KB]
新規用途米粉の用途別推奨指標の詳細はこちらからダウンロードしてください。
新規用途米粉の用途別推奨指標リーフレット[PDFファイル/683KB]
上記内容のお問い合せ先
担当
新潟県農林水産部食品・流通課 販売戦略班(食品産業担当)
〒950-8570 新潟県新潟市中央区新光町4-1
Tel:025-280-5963
Fax:025-280-5548
Mail:ngt060040@pref.niigata.lg.jp
なお、米粉の技術的な相談は
新潟県農業総合研究所食品研究センター 穀類食品科
〒959-1381 新潟県加茂市新栄町2-25
Tel:0256-52-3238
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