本文
キツネの詫び証文「油揚げ欲しく いたずら」
3月16日(木曜日)放送
佐藤 薫 記者
放送内容
(佐野局長)=FMながおか 放送局長 佐野 護さん
(佐藤記者)=新潟日報社 長岡支社 報道部 記者 佐藤 薫さん
今日は、新潟県・新潟日報・FMながおかコラボ企画「地域の魅力発信します!」をお送りします。 |
(佐野局長) 本日は、1月21日の新潟日報朝刊に掲載された、「民話の里 訪ねて」の記事を書かれた新潟日報長岡支社の記者 佐藤薫さんに、長岡市三島地域にある古文書「キツネの詫び証文」についてお話をお伺いしたいと思います。佐藤さんどうぞよろしくお願いいたします
(佐藤記者) よろしくお願いします。
(佐野局長) キツネの詫び証文、狐が書いたという証文があるんですね。
(佐藤記者) はい。キツネが書いたと伝わってる証文がまさにそのお寺「寛益寺(かんにゃくじ)」にあるとういう。
(佐野局長) これはどういうお話なんですか。
(佐藤記者) この話なんですけど、この寛益寺がですね、奈良時代に作られたすごい歴史のあるお寺なんですが、その寛益寺で江戸時代の頃にですね、御住職がそのお寺に仕えている子供に、出雲崎の方に油揚げを買いに行かせるんですね。そしたらその油揚げを買って帰ってくるはずの子供がその日の晩になっても、帰ってこなくて、心配してたんですが、翌日になってようやく帰ってきて、でも油揚げを持っていないんですね。なんで持ってないのかと尋ねると、帰り道で恐ろしい顔をした男2人に襲われて、油揚げを盗まれてしまったと。そう話すわけなんですね。
(佐野局長) どうでしょうね。キツネは油揚げ大好きですから。キツネが化けて、油揚げを捕っちゃったんでしょうかね。
(佐藤記者) そう。そうだと。そのご住職が見抜いて、「これはキツネの仕業に違いない」と言って護摩を焚くっていう、念を送るという。
(佐野局長) 炎を焚いて「なんてことしてくれんだ」みたいな念を送るわけですね。
(佐藤記者) そうですね。念を送るとですね、このキツネが金縛りにあいまして、その日の晩に住職の夢枕にですね、そのキツネを召し抱えているという何者かがですね、平安時代の服装で現れるんですね。
(佐野局長) あの、私たちがよくイメージする平安時代の装束のね。
(佐藤記者) そうですね。烏帽子をかぶってというような、そんな者が現れて、「私が召し抱えるキツネが悪いことをしましたと。今、金縛りにあって謝りに行くこともできないので、どうか解いてください」と。そういうふうにお願いするわけですね。
(佐野局長) これ、住職さん相当な力を持ってますね。ものすごい力ですよ。その後はどうなっていくんですか。
(佐藤記者) ご住職がですね、烏帽子をかぶった何者かにですね「もう二度とさせるんじゃないよ」というふうに聞かせるとですね、翌日になって、男の姿をしたキツネ2匹がですね、お寺を訪ねるんですね。お寺を訪ねて、そのキツネ2匹が「すみませんでした」と謝るので、ご住職はですね、キツネにお詫びの「もう二度としません」という約束の証文を書かせるんですね。
(佐野局長) これ記事を見るとですね、証文がありますね。
(佐藤記者) この写真に載っている証文が、キツネが書いたものとして伝わっているそうなんですね。
(佐野局長) 見られるんですか、一般の方は。
(佐藤記者) 今はですね、残念ながら公開はされてないんですけれども。昔は、本山が開帳される度に披露したりしてたらしいんですよ。今回は特別に見させていただきました。
(佐野局長) 先ほどからお話が出ている住職って、実在する人物なんですね。
(佐藤記者) そうなんです。これは高禅律師という方らしいんですが、実在した江戸時代の和尚さんだったということで、そんな方がこんな力を持っていたと。
(佐野局長) キツネに証文を書かせたと。今に伝わるっていうことは、やっぱりありがたい部分があると思うんですよ、この民話に。どの部分になってくるんですか。
(佐藤記者) そうですね。キツネたちなんですけれども証文の中で「これからはこの寺の守り神になるよ」というようなことを言ってるわけなんですね。なので多分、実在する住職がそういうキツネを改心させて、村の守り神にするほど、ありがたい方だったんだよというような話なんじゃないかと。
(佐野局長) 改めてこの取材を通してですね、どうですか、ラジオをお聞きの方に是非メッセージをいただきたいんですけど。
(佐藤記者) 寛益寺なんですけれども、このキツネの詫び証文の話だけじゃなくてですね、いろいろな民話が他にも伝わってるお寺らしいので、お寺には大きな仁王様がいるんですけれどもその仁王様が登場する民話なんかもあるので、もしよろしければ興味ある方は是非、調べていただければと思いますね。
(佐野局長) この寛益寺はどこにあるんですか。
(佐藤記者) 寛益寺はですね、三島の逆谷(さかしだに)という集落にありますね。
(佐野局長) 長岡市三島地域の寛益寺に伝わるキツネの詫び証文の物語をご紹介いただきました。是非、1月21日の新潟日報朝刊「民話の里 訪ねて」の記事を、是非ご覧ください。佐藤さんどうもありがとうございました。
(佐藤記者) ありがとうございました。
(佐野局長) 次回の放送は、3月23日木曜日です。生如来「仏画ほほ笑み 取り返す」の記事を書かれた三木ゆかりさんが登場します。 |