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八百比丘尼の松「不老不死重なる生命力」

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0565318 更新日:2023年3月15日更新

3月9日(木曜日)放送

村山 穂波 記者

収録様子

放送内容

(佐野局長)=FMながおか 放送局長 佐野 護さん

(村山記者)=新潟日報社 長岡支社 報道部 記者  村山 穂波さん

 

今日は、新潟県・新潟日報・FMながおかコラボ企画「地域の魅力発信します!」をお送りします。

(佐野局長) 本日は1月19日の新潟日報朝刊に掲載された「民話の里 訪ねて」の記事を書かれた、新潟日報長岡支社の記者 村山穂波さんに、不老不死で800歳まで生きたことで知られる八百比丘尼(はっぴゃくびくに)が植えた松についての話をお伺いしてまいります。村山さんどうぞ宜しくお願い致します。

(村山記者) よろしくお願いします。

(佐野局長) 普通の松ではなく「八百比丘尼」、比丘尼の「尼(に)」はこれ、尼さんの「尼(あま)」の字を書くんですけどね。この八百比丘尼が植えた松が長岡地域にあるということなんですね。

(村山記者) はい、そうですね。松があるのは長岡市寺泊野積にある「お宿まつや」さんっていう民宿の庭にあるんですけども、そこに3本の松が植えられていて、それぞれが両手を広げるように上下に枝をのばしています。3本とも樹齢は不明なんですけども、それぞれ4メートルほどの高さがあります。

(佐野局長) 記事の写真を見ると、大変立派な松です。

(村山記者) そうですね。

(佐野局長) この松について、語り継がれていた方が、その民宿にいらっしゃったということなんですね。

(村山記者) はい。このお宿まつやさんを営む高津疾人(はやと)さんという方に、この比丘尼伝説について伺ってきました。高津さんは、この話の結末は決して幸せなものではないんですけども、命の大事さや今をきちんと生きることの大切さを伝えている話だと教えて下さいました。

(佐野局長) 興味深いですね。一体どんなお話なんですか。

(村山記者) 2千年ほど前に、このまつやさんがある周辺一帯は「大野積」と呼ばれる村だったんですけど、そこに高津金五郎と近くに住む太幸(たこう)と源助の3世帯が住む村だったといわれています。ある日、弥彦に上陸した「天香山命(あめのかごやまのみこと)」という神様が、金五郎とかその村人3人を誘って酒盛りをしたと伝えられています。その3人は酒盛りをした帰りに、神様から藁でできた包みをもらって、開いてみると中身は得体の知れない肉のようなもので、金五郎以外の2人は気味悪がって捨ててまったんですけども、金五郎だけはしっかり家の戸棚に隠していたと。ただ、金五郎の留守中に娘がそれをみつけてしまい、一口食べるとあまりに美味しかったので、気付いたら全部食べてしまっていたと。

(佐野局長) あの高津金五郎の娘さんが食べちゃったと。この高津さんは今のね、民宿を営む高津疾人に繋がってくる高津さんと。

(村山記者) そうですね。

(佐野局長) その得体の知れないもの、これは結局なんだったんでしょうか。

(村山記者) これは人魚の肉だったといわれているんですけど、17歳で人魚の肉を食べてしまったんですけど、その年から年を取らなくなって不老不死になったといわれています。

(佐野局長) その不老不死、17歳のままですよね。その娘さんは一体どうなっていくんでしょうか。

(村山記者) さらに美しくなったんですけども、近くの村の大庄屋のところに嫁いでいきました。嫁いだ先の旦那さんは30年後に亡くなってしまうんですけど、金五郎の娘は年を取らずに、綺麗なので、結局39回再婚したといわれています。

(佐野局長) それだけ聞くとね39回も再婚された。羨ましい話ですね。

(村山記者) そうですね。ただ、自分の嫁いだ先の旦那さんや子供も何百年も生きているので、先に世を去ってしまって、だんだんこの娘は不老不死であることが苦悩に変わっていって、500歳になったときに、修行に出ることを決めます。尼さんとなって修行に出るために、村を出る際に自分の庭にさっき話した3本の松を植えていきます。そのときに「この松が生きている限り、私はどこかの地できっと生きている」と言い残して旅立って行ったといわれてます。

(佐野局長) 出家されて「比丘尼」というね、尼さんになるわけですよね。八百比丘尼ということですから八百、800歳まで生きたという。

(村山記者) 福井県の小浜市に修行へあるお寺に辿りついてそこで300年なかなか死ねなかったので、最終的には飲み食いせずにそのお寺にある洞窟に入って、800歳になったときに仏に姿を変えたといわれて、それで「八百比丘尼」と言われてます。

(佐野局長) 幸せな結末ではないかもしれませんけれども、命の大切さをね、伝えてくれるような物語ですよね。

(村山記者)そうですね。この比丘尼の松は、今も特別な手入れとかはしなくてもどんどん元気に育っているとおっしゃっていて、高津さん自身も、この松はもともと生命力が強い松ではあるんですけど、さらにパワーを常に感じられているとおっしゃっていました。

(佐野局長) わかりました。長岡市寺泊野積の民宿にある「八百比丘尼の松」の物語を知りたいという方はですね、1月19日の新潟日報朝刊「民話の里 訪ねて」の記事をぜひご覧ください。村山さんどうもありがとうございました。

(村山記者) ありがとうございました。

 

(佐野局長) 次回の放送は、3月16日木曜日です。キツネの詫び証文「油揚げ欲しく いたずら」の記事を書かれた佐藤薫さんが登場します。

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