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出雲崎手作り紙風船(いずもざきてづくりかみふうせん)
国内で唯一の生産
三島群出雲崎町の『磯野紙風船製造所』にて製造されている工芸品です。
空気を入れて、手でついたり空中にとばしたりする子供用の玩具(風船遊び用)としての用途をはじめ、交通安全・企業のPRなどに用いられる名入れ紙風船や、近年では主にお土産用として特注によるキャラクターの紙風船などにも使用されています。
古くから出雲崎町では漁業で生計を立てている方が多くいましたが、冬は日本海の荒波を前に漁に出られない日が続いたため、冬場にできる内職はないかと考えた当社の初代が大正5年(1916年)に紙風船専門事業を開始したと言われています。
創業当初は、テーブルの上で糊代を折りながら貼り合わせる作業で紙風船を作製していましたが、作業性が悪く量産が困難であったことから、大正8年に二代目が立貼り用の器具を開発し、以降、現在まで同様の製造技術を使用しています。昭和11年の新聞記事にも、立貼り用の器具を用いて生産されている様子が写真で掲載されています。
細部まで美しくお土産としても人気
製造工程として、型抜きの準備工程である紙をそろえて重ねる「紙組」、組んだ紙を専用の形状に型で抜く「型抜き」、8枚の紙を丸く張り合わせる「立貼り」工程、口紙に銀紙を貼って補強する「二重口(ふたえくち)」、半球に畳まれた紙風船に底紙と口紙を貼る「口底貼り」、出来上がった製品を畳む「仕上げ」作業を経て、紙風船となります。
材料の紙は日本製の薄く気密性のあるグラシンや国内の紙を使用し、ひとつひとつ手作業で作成していることから、細部まで美しい仕上がりとなることが特徴としてあります。また、軽くてコンパクトのうえ、大きく膨らむ特徴があり、お土産としても人気です。
近年の取組として、令和元年より、出雲崎町観光協会と協力し「オリジナル紙風船デザインコンテスト」を毎年開催し、紙風船に触れる機会を提供されています。
主な商品
- 紙風船
※事業者への直接連絡や、朱鷺メッセやふるさと村、道の駅などの売店で購入可能。
事業者
になひてさんはこんな人(『新潟県伝統工芸品のになひて』インタビューページ)
匠の手を巡る旅<外部リンク>(『新潟のつかいかた』インタビューページ)
- 磯野紙風船製造所
新潟県三島郡出雲崎町羽黒町423
TEL 0258-78-2045
HP<外部リンク>