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寺泊山田の曲物(てらどまりやまだのまげもの)
冬場の生業として育まれた工芸品
長岡市寺泊町(旧三島郡寺泊町)の『足立茂久商店』で製造されている工芸品です。
曲物の用途として、粒の大小を選り分けるための「篩(ふるい)」、食材を細かくしたりカスを取り除くための調理器具である「裏漉し(うらごし)」、湯を沸かした鍋や釜の上に載せ蒸気で蒸すための調理器具である「蒸籠(せいろ)」として使用されています。
日本海に面した新潟県長岡市寺泊山田は古くから農業や漁業の冬場の生業として篩(ふるい)作りが盛んで、その歴史は少なくとも江戸後期(天保時代)までさかのぼります。現存する最も古い資料は天保13年(1842年)の「仲間取究書」で、この時点で篩業組合が存在していたことが確認できます。
昭和57年4月には「大字山田(おおあざやまだ)の曲物製造技術」として、旧寺泊町の無形文化財(工芸技術)に指定されています。
昭和3,40年代には、地域内に10数軒の製造者がいましたが、農業の機械化などにより徐々に需要が減少し、現在は足立茂久商店ただ一軒が「篩屋(ふるいや)」としてその技術を伝承しています。
昔から変わらぬ製法
昔ながらの作り方を先代から引継ぎ、檜(ひのき)や唐檜(とうひ)の曲輪を山桜の皮で綴じ合わせ、各工芸品を製作されていることが特徴です。使用者からも品質を高く評価されており、県内外の料理屋や菓子屋などから厚い支持を受けています。
また、11代目の足立照久氏は、受け継がれてきた伝統を守りつつ、これまでの曲物には無い新たな分野での作品作りに挑戦しています。
主な商品
- 篩(ふるい)
- 裏漉し(うらごし)
- 蒸籠(せいろ)
- わっぱ
- 花結び
※各取扱い店の他、事業者への直接連絡による購入も可能。
事業者
- 足立茂久商店
新潟県長岡市寺泊山田1289
TEL 0258(75)3190
展示室もあり、希望者にはご案内もできます。
になひてさんはこんな人(『新潟県伝統工芸品のになひて』インタビューページ)
匠の手を巡る旅<外部リンク>(『新潟のつかいかた』インタビューページ)