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Take a sip of it!とは、「一口飲んでみて!」という意味です。
ついつい「一口飲んでみて!」と言いたくなるような新潟清酒をご紹介する、日本酒ビギナーによる・日本酒ビギナーのためのぽんしゅレポートです。
鳥が空を羽ばたく様子がデザインされたスタイリッシュなラベルの瓶の中で、揺れている真っ白な液体。これはなんだか分かりますか?
実はこれ、どぶろくです!米と米麹、水を原料としている点はこれまでご紹介してきた清酒と同じですが、最後に濾す作業を行わないため、米の粒や米麹が残った状態で完成となりこのような白いお酒になるのです。(なので、酒税法上は「清酒」ではなく「その他醸造酒」です!)
つまり、同じ原料(米・米麹)で造ったものを濾せば清酒、濾さなければどぶろくになるんですね。
どぶろくを飲むのは初めてなので少し歴史を調べてみると、弥生時代の稲作🌾が始まった頃と同じ時期に造られるようになったと考えられているそうです。その後の歴史の中でどぶろくをもとにして日本酒(清酒)が造られたそうで、いわば清酒のご先祖様と言えるかもしれません!卑弥呼に関する記述のあることで有名な「魏志」の倭人伝にも、楽しくお酒を嗜んでいた人々の様子が残されています。
何千年も前の人達も、現代の私たちのようにお酒を好んで飲んでいたことに驚きです。人生に彩りを与えるツールのひとつであることは、昔も今も変わらないみたいですね。
こちらのどぶろくは、2021年に福島潟のほとりに新たに誕生したLAGOON BREWERY(新潟市北区)が、初めて醸造したものです。この酒蔵は海外へ輸出するための日本酒を造る「輸出用清酒製造免許」を取得しています。
この免許については後日改めて取り上げたいと思いますが、「輸出用」とあるようにあくまで海外向けの清酒を造る免許であるため、国内では販売ができません。対してどぶろくは先ほど書いた通り「その他醸造酒」なので、私たちも購入することができます!
できたてほやほやの酒蔵のどぶろく3種類を飲み比べしてみました✨
名前は「翔空(しょうくう)」。オオヒシクイで有名な福島潟にちなんだ名前とデザインなんですね。ちなみにラベルの鳥は、架空の鳥なのだそうです。
まず青いラベルの「仕込み壱号R301ツブロク自然栽培亀ノ尾」。(写真右)
亀ノ尾とは、酒米の品種の1つです。とても濃厚で、3本の中で一番発泡性が強い!!栓を開けて残りを冷蔵庫にしまったところ、後日、中で勝手に栓が抜けてしまっていました💦保管には注意です。
次に青緑のラベルの「仕込み弐号R302特別栽培こしひかり」です。(写真左)
まるで甘酒のような見た目で、中の粒も甘いものの、口に含むとがつっとしたアルコールの強さを感じます。一番つぶつぶを感じられました!
最後にオレンジ色のラベルの「仕込み四号R304全麹にごり 自然栽培亀ノ尾」です。(写真中央)
こちらのどぶろくは、上澄みが他と比べて黄みがかっていて、ラベルの色合いとマッチしていました。軽く混ぜた後の色も、ほんのり優しい橙色。他の2本よりも味はさっぱりしていて、飲みやすかったです。
3つの中でこのどぶろくだけ清酒のように最後は濾していますが、米麹のみで造られていることから「清酒」の要件から外れ、どぶろくとして販売ができているそうです。
※米麹と米で造られたものが「清酒」です。
濾しているからこそ他とは違う色合いなのでしょうか。
混ぜる前の上澄み。黄みがかっているのがわかりますか?
逆に「ツブロク」と「こしひかり」は米麹と米で出来ているため、濾せば清酒になります。
お酒の製造工程や材料の違いで種類に線引きがされることを興味深く感じました!
このLAGOON BREWERYでは先日カフェも開店し、輸出もこれから本格化するそうです。今後の取組に注目ですね👀