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日本酒ができる裏側を見てみたい!という気持ちから始まった連載第4回目。
前回は、塩川酒造株式会社(新潟市西区)で酒造りの最重要工程の一つ、『麹造り』を体験させて頂きました。
そして今回は、出来上がった米麹を使った『仕込み』を体験してきました!
仕込みとは、米麹・蒸米・水・酒母(しゅぼ)をタンクに入れて醗酵させる作業です。
これらが醗酵すると、醪(もろみ)と呼ばれるものになり、更に醗酵が進むことで美味しい日本酒となります!
※酒母…米麹で糖化された蒸米をアルコールに変えていく働きを持つ酵母を大量培養したもの。
前回の体験から数日経ち、米麹ができあがっていました。
風通しの良い空間に置かれた米麹。しっかり甘くなり、とてもおいしかったです🙌
まずは米麹を下の階にあるタンクに入れていきます。
米麹を置いている場所が2階にあるのはこの時の作業のためなんですね。合理的です!
1つ17キロ程度の重さだそうです
力を入れすぎるとタンクの向こう側に飛んで行ってしまうし、力が足りないと手前に落ちてしまうので少しコツがいります。
ここでタンクに入る量が変わってしまうと、酒造りにも支障が出てきてしまうと聞き若干緊張感が漂います💦
米麹をタンクへ入れ終わると、ここからはチームに分かれて作業開始です。
前回より硬めに蒸された米を、放冷機に入れていきます!
タンクの中に入れる蒸米を、今日は放冷機という大きな機械に通して冷ましていきます。15度程度に全体が均一に冷めるよう、皆で出てきた蒸米を広げたり塊を崩したりします。
蒸米が雪のように出てきます⛄
一方タンクには、事前に水を投入した水麹の中に、十分に冷まされた蒸米がポンプで運ばれて投入されていきます。
ちなみにここで使う水は、西区に潤沢に流れる水質の良い地下水を利用しているそうです!
それをひたすら、櫂棒(かいぼう)という棒を使い2人で混ぜていきます。水や固形物の反発もあり、ある程度力を込めて混ぜないと全体がうまく混ざりません。
しばらく混ぜていると、手が痛くなってきて疲れてきてしまいますが、本来この作業は1人で行うとか!己の体力不足を実感しました…。
このタンク内の温度は13~14度とする必要があるため、こまめに温度を測り様子を見て氷を入れたり、米の冷まし作業を更に強化したりとチームワークも大切な作業でした。
今回の仕込み作業は1日で全てを終えるのではなく、3回に分けて行うため『三段仕込み』と言うそうです。この日は1日目だったので『初添え(はつぞえ)』と言われ、2日目は1日作業をお休みする『踊り』、3日目を『仲添え(なかぞえ)』、4日目を『留添え(とめぞえ)』と呼びます。
つまり、この仕込みの作業は4日間かけて行われていきます。時間をかけて拡大培養することで、安全で安定的な醗酵を行うことができるのだそうです。美味しい日本酒は1日にしてならずですね。
この日の一連の作業が終わると、使った道具についたお米を丁寧に洗って取ったり、作業場の片づけを行いました✨
乾いた米は剥がすのが難しく、熱いお湯を使ってふやかしたり、「ささら」と言うブラシを駆使して綺麗にしたり…意外と片付け作業の方が大変かも?!それもそのはず、「酒造りは洗い半分」という言葉があるくらい、酒造りの時間の内、多くを片づけに費やすのだそうです。
使った道具を最初と同じように綺麗にすることで、次に使う時もスムーズに作業へ取り掛かれます。普段ついつい「楽だから」と使い捨ての物を使ってしまいますが、道具1つ1つを大事にし、繰り返し使う大切さを図らずもこの作業の中で実感しました!(私たちは片づけのほんの一部しかお手伝いしませんでしたが…)
今世界中が取り組んでいるSDGsの考え方にも欠かせない姿勢ですね。
次回も酒造り体験記をお送りします!
【関連リンク】
塩川酒造株式会社<外部リンク>