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研究成果詳細解説 黄緑色の外観が美しい日本なし良食味新品種「新碧(しんみどり)」(「新園9号」)
研究成果詳細解説 黄緑色の外観が美しい日本なし良食味新品種「新碧(しんみどり)」(「新園9号」)

[背景・ねらい]
新潟県は古くからのなし産地であり、全国有数の消費地でもあります。しかし、開花期の天候不順による着果不良や、主要品種の人工受粉作業や防除作業等の春作業の競合が栽培上の問題となっています。そこで、自家和合性を有する良食味品種を育成し、オリジナル品種のラインナップに外観の美しい青なしを加えることにより、県産果実の消費拡大と国内外にアピールできる新たなブランドづくりを目指しました。
※研究成果情報はなしの名前を「新園9号」として記載していますが、令和3年9月16日に品種名「新碧(しんみどり)」として出願公表されましたので、この説明ページでは「新碧」として表記しています。
新潟県は古くからのなし産地であり、全国有数の消費地でもあります。しかし、開花期の天候不順による着果不良や、主要品種の人工受粉作業や防除作業等の春作業の競合が栽培上の問題となっています。そこで、自家和合性を有する良食味品種を育成し、オリジナル品種のラインナップに外観の美しい青なしを加えることにより、県産果実の消費拡大と国内外にアピールできる新たなブランドづくりを目指しました。
※研究成果情報はなしの名前を「新園9号」として記載していますが、令和3年9月16日に品種名「新碧(しんみどり)」として出願公表されましたので、この説明ページでは「新碧」として表記しています。

平成14年に「瑞秋」と「平塚16号」(通称:かおり)を交配し、黒斑病抵抗性個体を選抜しました。
平成21年に自家和合性で品質が良いことから「新園9号」として選抜しました。その後、栽培性、均一性を確認し、平成26年に育成を完了しました。
さらに、令和2年まで現地ほ場での評価を行い、果実品質、栽培性が安定していることを確認し令和3年に品種登録申請しました。
平成21年に自家和合性で品質が良いことから「新園9号」として選抜しました。その後、栽培性、均一性を確認し、平成26年に育成を完了しました。
さらに、令和2年まで現地ほ場での評価を行い、果実品質、栽培性が安定していることを確認し令和3年に品種登録申請しました。

収穫期は9月中旬から10月上旬で、「豊水」や「あきづき」の収穫期と重なります(表1、2)。
600g程度の大果で玉揃いが良く、黄緑色の果面が美しい青なしです。
糖度が高く、酸味が少ないため甘味を強く感じます(表2)。
600g程度の大果で玉揃いが良く、黄緑色の果面が美しい青なしです。
糖度が高く、酸味が少ないため甘味を強く感じます(表2)。

糖度が高く、酸味が少ないため甘味を強く感じ、高い食味評価をいただいています(図2)。

花芽の着生が多く、自家和合性であるため、人工受粉しなくても安定的に着果します。

黒斑病抵抗性であるため無袋栽培も可能ですが、青なしの果面の美しさを出すためには一重袋での有袋栽培を実施する必要があります。

[導入効果]
1 人工受粉が不要なため、開花期の天候不良の影響を受けにくく、生産安定に寄与できます。
2 春作業の競合がなくなるため、経営規模拡大が可能となります。
[導入対象]
良食味品種への品種更新や経営規模拡大の意向がある県内なし生産者、水稲との複合経営で果樹の新規導入の意向がある農業者らへの導入が推奨されます。
1 人工受粉が不要なため、開花期の天候不良の影響を受けにくく、生産安定に寄与できます。
2 春作業の競合がなくなるため、経営規模拡大が可能となります。
[導入対象]
良食味品種への品種更新や経営規模拡大の意向がある県内なし生産者、水稲との複合経営で果樹の新規導入の意向がある農業者らへの導入が推奨されます。

[留意点]
1 着果が多くなりやすいので、「新美月」等と同様に開花前の除芽を実施することで摘果作業の省力化を図ることができます。原木では生理障害の石ナシが確認されたため、接木苗の台木はマメナシを用います。
2 現在、品種登録出願中であり、令和5年度以降接ぎ木苗の供給が開始される予定です。
1 着果が多くなりやすいので、「新美月」等と同様に開花前の除芽を実施することで摘果作業の省力化を図ることができます。原木では生理障害の石ナシが確認されたため、接木苗の台木はマメナシを用います。
2 現在、品種登録出願中であり、令和5年度以降接ぎ木苗の供給が開始される予定です。

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