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研究成果詳細解説 新規乳酸菌ヤマコシ株の特長と粘性及び曳糸性を呈する乳酸発酵食品の製造方法

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0408212 更新日:2021年7月12日更新

新規乳酸菌ヤマコシ株の特長と粘性及び曳糸性を呈する乳酸発酵食品の製造方法

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令和3年度新潟県農林水産部研究成果情報のうち、「新規乳酸菌ヤマコシ株の特長と粘性及び曳糸性を呈する乳酸発酵食品の製造方法」をご紹介します。
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 背景について説明します。
 本研究でご紹介する乳酸菌ヤマコシ株は、長岡市山古志地域の伝統発酵食品「いぜこみ菜」から分離したものです。
 この乳酸菌を利用して新ジャンル食品を開発する、というのが本成果の概要になります。
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 はじめに、ヤマコシ株の特長です。
 図1に示したとおり、ヤマコシ株は28℃前後で最も良く増殖します。また、10℃程度の低温条件でも増殖可能です。
 pHの条件は図2のとおりです。pH3.5以上で増殖可能で、中性域の方が良好に発酵します。
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 こちらは、ヤマコシ株を用いた乳酸発酵食品の製造フローを示した図です。
 玄米または白米を炊飯し、ここにアミラーゼと乳酸菌を添加します。
 続いて30℃で24時間発酵させることで、乳酸発酵食品を製造できます。
 なお、玄米の発酵物については、裏ごしすると食感が改善できます。
 白米を発酵する場合には、炭酸カルシウムを添加することで玄米と同様に曳糸性をもつ発酵物を得ることができます。
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 それぞれ、発酵物の外観を示した写真です。
 白米の場合、図5に示したとおり炭酸カルシウムを添加して発酵を促す必要があります。
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 実際の製造では「乳酸発酵がどの程度進行したかどうか?」が重要になります。
 もっとも正確に発酵具合を把握するには、乳酸濃度を測定する必要があります。
 しかし、乳酸濃度の測定には高価な機器や試薬が必要になります。
 そこで、簡易な評価指標として、pHと電気伝導度をご紹介します。
 どちらもハンディ型の計測器が5万円弱で市販されていますので、ご利用しやすいと考えています。
 これらの2つの指標は乳酸濃度と高い相関関係を持っていますので、目標pHや電気伝導度を設定すると良いです。
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導入効果は、「新ジャンル食品の製造・販売による県内食品メーカーの収益拡大」です。
ぜひ、プラントベースフード等の開発にご利用ください。
導入対象は、「『新潟の発酵食研究会』の会員企業等です。会員企業以外の方でも当然利用できるので、お問い合わせください。
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 最後に、留意点です。

 まず、成果を活用する前にやっていただきたいことです。
 乳酸菌ヤマコシ株を用いる発酵食品の製造技術は、新潟県が特許出願(特願2020-129598)しているため、事前に県へ利用許諾を得る必要があります。利用を希望する場合、まずは当センターにお問い合わせください。なお、当該出願特許は、令和4年以降に特許庁のデータベースに公開される見込みです。

 次に、製造工程での留意点です。
 発酵物の曳糸性は、強力なせん断応力又は加熱を受けると消失します。このため、利用者ごとに発酵後の加工処理条件を開発・試作段階で検討する必要があります。
 炭酸カルシウムを添加すること、無添加しない場合よりも発酵物のpHが高くなります。このため、開発・試作段階で殺菌処理や流通条件を検討してください。
 米以外の原料、例えば、豆乳等を発酵させた場合にも、粘性および曳糸性を呈することを確認していますので、他の原料も発酵できます。
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