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研究成果詳細解説 香気成分分析による無菌包装米飯の品質劣化評価技術

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0408211 更新日:2021年7月12日更新

香気成分分析による無菌包装米飯の品質劣化評価技術

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 令和3年度研究成果情報「香気成分分析による無菌包装米飯の品質劣化評価技術」について説明します。
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 包装米飯等の輸出促進に向け賞味期限を延長する技術開発が要望されており、包装米飯の長期保存中の品質劣化を化学成分の変化の面から解明することが必要とされています。
 そこで、賞味期限設定の指標となる化学成分を見出し、官能評価に依存していた無菌包装米飯の品質評価の数値化や賞味期限延長技術の開発に貢献します。
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 無菌包装米飯の香気成分には青臭みを呈する不快臭物質のn-ヘキサナールが含まれています。
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 保管期間が長くなるとn-ヘキサナールの強度が強くなります。
 保管期間が長くなると増えるn-ヘキサナール強度は、温度が高くなると増加率が高まります。
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 n-ヘキサナール分析値(強度)は無菌包装米飯の官能評価と負の相関が認められることから、評価との関係を把握することで、無菌包装米飯の保存中の品質劣化評価に利用できます。
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 無菌包装米飯の香気成分の分析は以下の方法で行います。
 1 ピンセット等を用いて米飯10gを捕集 瓶に入れ、捕集剤を吊り下げます。
 2 瓶を40℃の恒温水槽に入れ、30分間香気成分を捕集します。
 3 加熱脱着装置3)を用いて、捕集した成分をGC-MSへ導入します(200 ℃、10分)。
 4 GC-MS分析条件
  ・使用カラム例:G社製ガラスキャピラリーカラム
  ・カラム温度条件:35℃(5分)維持→ 5℃/分昇温→250℃(5分)維持
 5 シクロヘキサノールに対する米飯のn-ヘキサナール強度比を算出します。
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 無菌包装米飯の香気成分の捕集と分析に使用する物品及び機器(例)
 (1) 捕集瓶:T社製ピンホールセプタム付 ガラスバイアル
 (2) 捕集剤:G社製シリカモノリス捕集剤
 (3) 加熱脱着装置:S社製気相クロマトグラフィー用熱脱着装置

 シリカ骨格モノリス構造にグラファイトカーボンを含んだ吊り下げ型捕集剤を用いることで、ガスクロマトグラフ質量分析計(GC-MS)による分析を簡便に行うことができます。
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 導入効果は以下のとおりです。
 1 無菌包装米飯の保存中における品質劣化評価項目として利用することで、品質劣化の程度や消費者の受容性が概ね予測できます。
 2 無菌包装米飯の包装資材変更等、品質改良時の品質評価項目や指標として利用することで、品質改善につながります。

 導入対象は、新潟県内の無菌包装米飯製造企業様です。
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 留意点です。
 1 得られた結果は、一般的な無菌包装米飯及び低タンパ ク質無菌包装米飯(共に白飯)によるものです。
 2 官能評価で許容されるn-ヘキサナールの上限値は、製造企業個別の判断基準により変わることに留意してください。
 3 香気成分の捕集は、サンプリング時の米飯温度に影響を受けやすいため、サンプリング前の温度管理に留意してください。
 4 分析の詳細については、食品研究センターに問い合わせてください。
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