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研究成果詳細解説 夏まきブロッコリーの1穴2粒まきセル苗の2本植え栽培による増収技術

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0408199 更新日:2021年7月12日更新

夏まきブロッコリーの1穴2粒まきセル苗の2本植え栽培による増収技術

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 令和3年度研究成果情報「夏まきブロッコリーの1穴2粒まきセル苗の2本植え栽培による増収技術」について説明します。
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 水田への園芸導入や新規就農・参入者の野菜づくりへの関心が高まっています。
 しかし、野菜づくりには、長い経験や高度な技術が必要とされ、失敗して撤退する事例も数多く見受けられます。
 野菜づくりを定着、拡大するためには野菜で儲かる仕組みづくりが必要です。
 そのためには、「技術の簡素化、効率化」「品質・収量の安定化」「機械稼働効率の向上」が欠かせません。
 そこで、夏まきブロッコリーで、セルトレイに1穴2粒まきし、そのままほ場に2本立ちのセル苗を植えることで作業効率を上げ、増収も期待できる技術の開発に着手しました。
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 128穴セルトレイで育苗したブロッコリーの苗です。は種から4週間目にあたります。
 左が通常の1粒まき、右が2粒まきですが、苗の大きさ、根鉢の形成に大きな違いはありません。
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 苗の生育状況を調査した結果です。
 1粒まきの方が2粒まきより大きく、セルサイズが大きいほど苗も大きくなる傾向です。
 苗1本あたりの培土(肥料)が多くなることが影響していると考えられます。
 また、面積あたりの苗本数が増えるほど草丈は高くなり、徒長する傾向があります。
 いずれにしても、どのは種方法でも、半自動移植機による定植作業には支障がありません。
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 半自動移植機(ヤンマー野菜移植機PH1-W)による機械移植の精度を調査しました。
 72穴の2本苗は、転倒するものや、根鉢上部がマルチに引っかかって、少し浮いてしまうものが見られました。
 浮いてしまった苗は、手直しせずそのまま育てましたが、最後まで収穫できました。
 ブロッコリー1本あたりで作業効率を比較すると、標準の1粒まき128穴・40cm株間に比べ、2粒まき72穴は13%の作業性の向上が認められました。
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 128穴2粒まきした苗の、畑での生育途中の様子です。右側がやや細く見えますが、最終的な花雷の大きさはほぼ差がありませんでした。
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 3年間の収穫調査の結果では、植え付け本数の多い2本上の単収が大きくなりました。
 平成30年は花蕾の重さに差があり、1本植えの方が明らかに大きな花蕾が収穫できました。
 これは、1本あたりの施肥量の差が影響した可能性が考えられます。
 令和元、2年産では花蕾の重さに差がありませんでした。
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 2本植えにすると、慣行の1株植えに比べ収穫までの日数が3~5日程度長くかかり、収穫ピークの山が分散する傾向があります。
 また、どちらか一方の株が極端に小さくなることはありません。
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 花蕾の収穫数を累積で表したグラフです。収穫が3日~1週間程度遅くなっているのがわかります。
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 1粒まきと2粒まきの育苗経費を比較した表です。
 2粒まきは、植え付け本数を多く設定してありますので、経費はやや多くなりますが、128穴トレイの苗1本あたり単価を比較すると、1粒まきで6.1円、2粒まきで5.2円とかなり経済的です。しかも、収量・粗収益が増えるので断然お得になります。
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 ブロッコリーの夏まき栽培で、72穴または128穴セルトレイに種子を1穴2粒まきし、2本植えして栽植本数を4,700株/10a程度と増加させることで、慣行の1本植え栽培に比べ増収します。

 ただし、次のとおり注意点が必要です。
 ・土壌肥沃度の低いほ場では、施肥量を増やす必要が生じる可能性があります。
 ・密植は、病害の危険性が増しますので、防除をしっかり行ってください。
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