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研究成果詳細解説 クラウン加温を行ういちご「越後姫」栽培に適した肥培管理と温度管理

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0408198 更新日:2021年7月12日更新

クラウン加温を行ういちご「越後姫」栽培に適した肥培管理と温度管理

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 令和3年度研究成果情報「クラウン加温を行ういちご「越後姫」栽培に適した肥培管理と温度管理」について説明します。
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 はじめに、クラウン加温技術について説明します。
 いちごの株元には、成長点を包んでいる「クラウン」と呼ばれる器官があります。
 クラウン加温技術は、この「クラウン」を局所的に加温する技術で、生育の調節に有効なことが明らかになっています。
 詳しくは、平成28年度研究成果情報「いちご「越後姫」の促成栽培におけるクラウン加温の効果」をご覧ください。

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 平成28年度研究成果情報では、低温期にクラウン部分を20℃程度24時間加温することで、冬季の生育が促進され、左のグラフのように、腋果房の収穫が前進し増収すること、右の写真のように、春季の急激な草丈伸長が抑制され過繁茂を軽減できること、を明らかにしました。
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 クラウン加温を行った栽培では、腋花房が前進化したり春の草丈伸長が抑制されたり、クラウン加温を行わない栽培と比べて、生育のパターンが大きく異なります。
 また、投資分は十分に回収できるのですが、クラウン加温を行わない栽培と比べて、加温に必要なエネルギーコストがかかります。
 そこで、クラウン加温を行ういちご「越後姫」栽培において、最適な肥培管理、効率的なクラウン温度管理について検討を行い、最適な管理方法を明らかにしましたので、ご紹介します。
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<肥培管理について>
 従来のマニュアル等では、4月以降の過繁茂を防止するため、イメージ図上段の方法のように、
3月末頃(葉長30cm程度を超えた頃)に培養液供給を停止し、水のみを供給することを提案しています。
 しかし、この方法では、肥効の減少によって、出蕾数や花房の質が低下するため、5月以降の収量が低下しやすくなります。

 一方、クラウン加温を行う栽培では、草丈伸長が抑制されるため、培養液供給を継続することができます。
 また、春以降は吸水量が増加するため、培養液濃度は低濃度でも十分なことがわかってきました。
 そこで、クラウン加温を行う栽培では、イメージ図下段の方法のように、4月以降も低濃度の培養液を供給することを推奨管理として提案します。
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<肥培管理について>
 4月以降も低濃度培養液を供給した場合、水のみを供給する栽培と比較して、グラフのように、5月以降の収量が増え、全期間収量は約1割増加します。
 4月以降も低濃度培養液を供給することにより、施肥の経費は2千円/10a程度増えますが、収入は40千円/10a程度増えます。
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<クラウン温度管理について>
 平成28年度の研究成果情報では、イメージ図左のように、クラウン加温は20℃で24時間加温することを提案しています。
 この従来管理方法と効果は同等以上で、エネルギーコストを低減できる温度や時間帯などについて検討しました。
 今回推奨するクラウン温度管理方法は、イメージ図右のように、25℃で6~18時の日中12時間のみ加温する方法です。
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<クラウン温度管理について>
 25℃・日中12時間加温を行った場合、20℃・24時間加温の従来管理と比較して、上段左のグラフのように、生育は同様な傾向で推移し、また上段右のグラフのように、収量は同等となります。
 また、クラウン加温に係るエネルギー消費量は、下段のグラフのように、25℃・日中12時間加温が、20℃・24時間加温より約3割少なくなります。
 施設内暖房最低8℃設定で電熱線を利用した場合の例では、クラウン加温の経費は約10千円/a減少します。
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 以上のように、クラウン加温を行う「越後姫」栽培では、
 1 4月以降も低濃度の培養液を供給することで、収量が約1割増加する
 2 クラウン加温設定を25℃・日中12時間とすることで、20℃・24時間と同等の加温効果が得られエネルギー消費量は約3割軽減できる
ことが明らかとなりました。
 クラウン加温技術を導入されている、または導入意向のある「越後姫」生産者の皆様は、ぜひ本成果情報の活用をご検討ください。
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