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研究成果詳細解説 多収性品種「ちほみのり」、「つきあかり」、「あきあかね」、「みずほの輝き」の収穫適期

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0409173 更新日:2021年7月12日更新

多収性品種「ちほみのり」、「つきあかり」、「あきあかね」、「みずほの輝き」の収穫適期

スライド1
 令和3年度研究成果『多収性品種「ちほみのり」、「つきあかり」、「あきあかね」、「みずほの輝き」の収穫適期』について説明します。
スライド2
平成9年度の米の消費は、家庭内消費が8割、中食・外食が2割を占めていました(左図)。
近年では需給が変化し、中食・外食の割合が3割にまで増加しています。

新潟県内においても、中食・外食に適する安価で多収な品種(以下、多収性品種)の生産が拡大しています(右図)。

スライド3
多収性品種には、低コスト栽培や収量向上が求められますが、一方で品質を確保することも非常に重要です。
品質を確保することで、生産・実需・消費の3方面にそれぞれ以下のようなメリットがあると考えます。

生産面では、品質の低下による所得の減少を回避できます。
実需面では、製品を製造する際、あるいは調理を行う際などに安定した取り扱やすい原材料となることにあります。
消費面では、一定の食味を確保することにつながるため、安価でも食味が維持されたものを消費することができます。
スライド4
水稲の成熟期より前は,まだ成熟しきっていない青未熟粒が多く残存します。
一方、成熟期より後には、白未熟粒や胴割粒が発生し、時期が遅くなるにつれ増加していきます。
このように、成熟期前後に品質は大きく変動します。
したがって、それらの未熟粒や被害粒の発生が最も少なく、整粒歩合が最も高くなる時期(適期)に収穫することが大切です。

そこで、本研究では品質を確保するための収穫の適期を示します。
スライド5
今回供試した多収性品種は、
早生品種「ちほみのり」、「つきあかり」、晩生品種「あきあかね」、「みずほの輝き」です。
それぞれの品種について、出穂後積算気温800℃から1,300℃の間を100℃間隔で稲株を採取し、籾水分、籾黄化率、品質(整粒歩合、白・青未熟粒、胴割粒)を調査しました。
積算気温ごとに品質データをグラフにプロットし、近似曲線を作成しました。
近似曲線が示す品質データの推移から、各品種の品質特性を示します。

このスライドでは、「ちほみのり」について説明します。
「ちほみのり」の成熟期前後の品質特性として、
まず、出穂後積算気温1000℃時点で青未熟粒(右図■)が10%以下となり、それに伴い籾黄化率(左図▲)も85%以上となります。
また、積算気温上昇に伴う胴割粒(右図×)の増加は比較的緩やかです。
これらのことから、収穫適期(網掛け)は、出穂後積算気温が1,050~1,200℃の範囲となります。




スライド6
次に「つきあかり」の収穫適期についてです。
成熟期前後の品質特性として、
籾黄化の進みが遅く、出穂後積算気温1,000℃時点での青未熟粒の発生が10%以上となります。
また、胴割粒が発生しやすく、出穂後積算気温の上昇に伴い胴割粒が増加する傾向があります。
これらのことより、収穫適期は幅が狭く、出穂後積算気温1,100~1,200℃となります。

スライド7
続いて「あきあかね」です。
「あきあかね」も「つきあかり」と同様に籾黄化の進みが遅く、出穂後積算気温1,000℃時点での青未熟粒が10%以上と高いのが特徴です。
一方、胴割粒の発生は少なく、積算気温の上昇に伴う胴割粒の増加は緩やかです。
収穫適期は、出穂後積算気温が1,150~1,300℃となります。
スライド8
最後に「みすほの輝き」です。
出穂後積算気温1,000℃時点での青未熟粒は10%以下となります。
したがって、晩生品種の中では比較的刈取り開始時期が早いです。
胴割粒の発生は比較的緩やかではありますが、籾水分の低下も早いためフェーンが発生した場合には早期に刈り取る必要があります。
収穫適期については、出穂後積算気温1,050~1,200℃となります。

スライド9
スライド10

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