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研究成果詳細解説 多収性品種「ちほみのり」、「つきあかり」、「あきあかね」、「みずほの輝き」の全量基肥施肥

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0409172 更新日:2021年7月12日更新

多収性品種「ちほみのり」、「つきあかり」、「あきあかね」、「みずほの輝き」の全量基肥施肥

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 令和3年度研究成果『多収性品種「ちほみのり」、「つきあかり」、「あきあかね」、「みずほの輝き」の全量基肥施肥』について説明します。
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経営体の規模拡大が進むなかで、経営資源を有効活用し、所得を確保するためには、家庭用だけでなく、中食・外食等の業務用米を組み合わせて品種構成を見直し、作期拡大することが有効です。
価格の安い業務用米で所得を確保するには、作業の省力化と多収による生産コストの低減が必要です。
そこで、業務用米向け多収性品種の全量基肥施肥の実用性について成果を紹介します。
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試験した品種は早生の「ちほみのり」、「つきあかり」と晩生の「あきあかね」、「みずほの輝き」です。
品種特性として
ちほみのりは、偏穂数型で耐倒伏性は強、穂発芽性はやや易
 葉いもち抵抗性は強、穂いもち抵抗性はやや強 です。
つきあかりは、偏穂重型で耐倒伏性はやや強、穂発芽性は難
 葉いもち抵抗性はやや強、穂いもち抵抗性はやや弱 です。
あきあかねは、中間型で耐倒伏性はやや強、穂発芽性はやや難
 葉いもち抵抗性は中、穂いもち抵抗性はやや強 です。
みずほの輝きは、中間型で耐倒伏性はやや強、穂発芽性はやや難
 葉いもち抵抗性はやや弱、穂いもち抵抗性は中 です。


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「ちほみのり」は「ゆきん子舞」や「つきあかり」より4~5日早く、
「あきあかね」、「みずほの輝き」は「コシヒカリ」より10~11日遅い品種です。
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慣行の施肥法としては、基肥に塩加燐安などの速効性肥料に加えて、穂肥に硫安などの速効性肥料を2回に分けて施用する分施法が一般的に行われています。
これに対して、全量基肥施肥法とは穂肥代替効果が期待できるシグモイド型被覆肥料を基肥の速効性肥料に配合して基肥施用時に本田に施用する技術です。
1回の施肥で生育期間の全肥料をまかなうことができるので、穂肥散布作業を省略することができます。 

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多収性品種の分施体系での10a当り窒素施肥量は、基肥7kg、穂肥3kg+3kg(出穂期前25+16日)、使用肥料は、基肥で「塩加燐安」、穂肥で「硫安」。
全量基肥施肥は13kg、使用肥料は、早生用で「早生スーパー元肥パワフル30」、晩生用で「晩生用高窒素一発元肥」の名称で販売されている全量基肥肥料。
生育期間中の葉色(SPAD)値を維持するため、基肥分の速効性肥料に加えて早生品種ではリニア型25日タイプ、晩生品種ではリニア型40日タイプを配合、
穂肥代替と後期栄養を維持するため、早生品種ではシグモイド型50日タイプと70日タイプ、晩生品種ではシグモイド型70日タイプと110日タイプの被覆肥料を配合した銘柄の肥料を選びます。
窒素配合割合(%)は、
早生品種では速効性17.0、リニア型25日27.3、シグモイド型50日32.3、シグモイド型70日23.3、
晩生品種では速効性16.7、リニア型40日40.0、シグモイド型70日16.7、シグモイド型110日26.7です。



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早生品種「ちほみのり」、「つきあかり」、晩生品種「あきあかね」、「みずほの輝き」の全量基肥施肥では、分施体系(基肥+穂肥)と同等の窒素量を施用します。
早生品種では分施と同等の収量が確保できます。晩生品種では同等からやや劣りますが、720kg/10aの多収が期待できます。

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早生品種の整粒歩合は、全量基肥施肥では分施と同等ですが、晩生品種では全量基肥施肥の方が高まります。
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玄米タンパク質含有率は、全量基肥施肥では分施と同等~やや低くなります。
食味低下の懸念は小さいと思われます。
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品種別にみた、葉色と茎数の推移を示したグラフです。
全量基肥施肥では分施より移植40日後から幼穂形成期の葉色(SPAD)値が高く維持され、茎数は多めに推移します。
全量基肥肥料に配合されているリニア型被覆肥料から窒素成分が少しずつ溶け出してイネに吸収され、栄養状態が維持されたことが茎数の増加に影響したと考えられます。

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[導入効果]
穂肥散布作業の省略によって施肥作業の労力を大幅に軽減することができます。
[導入対象]
業務用米に適した多収性品種を栽培する生産者
[留意点]
1 本成果は平成30年~令和2年に作物研究センター(細粒質グライ土)において、5月上旬に移植した栽培試験結果に基づいて作成しました。
2 生育や収量構成要素のめやすは「稲作経営への多収性品種導入のすすめ」(新潟県農林水産部、令和3年3月)を参照してください。

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