ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 トップページ > 分類でさがす > しごと・産業 > 農林水産業 > 研究成果詳細解説 多収性水稲品種の密播苗移植栽培における苗質及び収量

本文

研究成果詳細解説 多収性水稲品種の密播苗移植栽培における苗質及び収量

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0409171 更新日:2021年7月12日更新

多収性水稲品種の密播苗移植栽培における苗質及び収量

スライド1
 令和3年度研究成果『多収性水稲品種の密播苗移植栽培における苗質及び収量』について説明します。
スライド2
米の需給動向や生産者の経営形態の変化に伴って、業務用米の生産量が増えています。業務用米では実需者需要に合わせた低コスト生産が求められるため、多収と省力の両立が不可欠になっています。育苗では、従来よりも播種密度を倍増 (密播・高密度播種・厚播) することによって必要育苗箱数を半減させる取組みが増えていますが、品種や育苗方式に応じた目標苗姿等に関する情報は不足しています。そこで、多収性水稲品種の密播苗姿のめやすを提示します。
スライド3
パイプハウス育苗では、播種量を250g (乾籾換算) /箱、窒素成分量を1g/箱として無加温平置出芽プール育苗すると、播種後21日で充実度は劣るものの慣行苗 (140g/箱) に準じた苗姿となります。
播種後28日を経過すると (老化苗)、展葉が鈍化するとともに徒長が始まり、葉色が褪めてきます。
窒素成分量を2g/箱とすれば葉色は維持できますが、さらに徒長して移植困難となります (データ略)。
露地プール育苗では、播種量を250g (乾籾換算)/箱、窒素成分量を2g/箱とすると、播種後26日で慣行苗に準じた苗姿となります。
窒素成分量1g/箱では生育量が不足します (データ略)。

「ちほみのり」は、他品種に比べて展葉は早いが草丈は伸びにくい傾向です。


注 本試験は所内で実施し、播種日は4月16日または17日。
ハウス育苗:無加温平置出芽パイプハウスプール育苗。T社製高温対策フィルムを緑化終了まで被覆し、その間、低温時にはシルバー#80を二重被覆。緑化後移植前日まで湛水。その他の育苗手順は栽培指針に依る。
露地育苗:無加温平置出芽露地プール育苗。ハウス育苗と同一の被覆資材を使用し、除覆後は防風防鳥目的の透明ネット状ポリエチレン不織布を育苗終了まで被覆。
○○○g_N△:風乾乾籾換算の箱あたりの播種量(g)と窒素成分施肥量(g)。化成肥料N:P:K=4:6:5を使用。
マット強度:0.1m×0.1mに切り出した育苗マットの引裂強度をデジタルフォースゲージで測定。
スライド4
密播苗は慣行稚苗に較べて充実度は低下しますが、適期に移植できれば、収量性を維持できます。
スライド5
密播苗は慣行稚苗に較べて充実度が低いこともあり、移植適期を過ぎた場合、苗質が低下しやすいと考えられます。

スライド6
多収性水稲4品種の密播苗は、21日間の無加温出芽ハウス育苗 (N1g/箱) または26日間の同露地育苗 (N2g/箱) により、充実度は低下するものの慣行苗に準じた苗姿となります。適期移植では慣行苗に準じた収量を見込めますが、老化苗では減収リスクが高まります。
スライド7

Adobe Reader<外部リンク>

PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe社が提供するAdobe Readerが必要です。
Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先からダウンロードしてください。(無料)

<外部リンク> 県公式SNS一覧へ