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【中越】中越教育事務所「所長室から」11月 をアップしました。

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0468611 更新日:2022年11月30日更新

「生徒指導提要」の改訂を機に、生徒指導の在り方について再確認を  

 令和4年8月に、12年ぶりとなる「生徒指導提要」の改訂案が取りまとめられ、改訂作業が大詰めを迎えています。

 改訂案では、生徒指導の定義や目的、実践上の視点が、以下のように示されています。

 生徒指導とは、「社会の中で自分らしく生きることができる存在へと児童生徒が、自発的・主体的に成長や発達する過程を支える教育活動のことである」と定義しており、児童生徒への「支援」として行われる生徒指導を強調している。

 生徒指導の目的は、「児童生徒一人一人の個性の発見とよさや可能性の伸長と社会的資質・能力の発達を支えると同時に、自己の幸福追求と社会に受け入れられる自己実現を支えること」である。

 生徒指導の目的を達成するためには、児童生徒一人一人が自己指導能力を身に付けることが重要である。

 自己指導能力とは、「児童生徒が、深い自己理解に基づき、『何をしたいのか』、『何をするべきか』、主体的に問題や課題を発見し、自己の目標を選択、設定して、この目標の達成のため、自発的、自律的、かつ他者の主体性を尊重しながら、自らの行動を決断し、実行する力のこと」である。

 実践上の視点は、「(1)自己存在感を感受できるような配慮 (2)共感的な人間関係の育成 (3)自己決定の場の提供 (4)安全・安心な風土の醸成」の4つである。

 また、下の図のように、生徒指導の分類として、全ての児童生徒の発達を支える生徒指導を基盤とした「2軸3類4層から成る重層的支援構造」が示されています。

 「2軸3類4層から成る重層的支援構造」

 生徒指導の2軸は、課題の有無を起点とした時間軸に着目して分類したものです。

 1軸   先手型の常態的・先行的(プロアクティブ)生徒指導

 2軸   事後対応型の即応的・継続的(リアクティブ)生徒指導

 

 生徒指導の3類は、生徒指導の対象となる児童生徒の観点から分類したものです。

 1類   全ての児童生徒を対象とした発達支持的生徒指導

 2類   全ての児童生徒を対象とした課題未然防止教育と、

課題の前兆行動が見られる一部の児童生徒を対象とした課題早期発見対応

から構成される課題予防的生徒指導

 3類   深刻な課題を抱えている特定の児童生徒を対象とした困難課題対応的生徒指導

 

生徒指導の4層は、対象と課題性の高さから分類したものです。

 1層 発達支持的生徒指導

 全ての児童生徒を対象に、児童生徒が自発的・主体的に自らを発達させていくことを尊重し、個性の発見とよさや可能性の伸長と社会的資質・能力の発達を支えるように働きかける。日々の教職員の児童生徒への挨拶、声かけ、励まし、賞賛、対話、授業、行事等を通した個と集団への働きかけを大切にする。

 2層 課題予防的生徒指導:課題未然防止教育

 全ての児童生徒を対象に、生徒指導の諸課題の未然防止をねらいとした、意図的・組織的・系統的な教育プログラムを実施する。具体的には、いじめ防止教育、SОSの出し方教育を含む自殺予防教育、薬物乱用防止教育、情報モラル教育、非行防止教室等を行う。

 3層 課題予防的生徒指導:課題早期発見対応

 課題の予兆行動が見られたり、問題行動のリスクが高まったりするなど、気になる一部の児童生徒を対象に、深刻な問題に発展しないように、初期の段階で諸課題を発見し、対応する。質問紙に基づくスクリーニングテストやsc  ・sswを交えたスクリーニング会議を行い、早期に発見する。機動的連携型支援チームで早期に対応し、問題によっては校内連携型支援チームで対応する。

 4層 困難課題対応的生徒指導

 いじめ、不登校、少年非行、児童虐待など特別な指導・援助を必要とする特定の児童生徒を対象に、校内の教職員(教員やsc・ssw)だけでなく、校外の教育委員会、警察、病院、児童相談所、NPO等の関係機関との連携・協働による課題対応を行う。

 

 これからの生徒指導においては、発達支持的生徒指導や課題予防的生徒指導(課題未然防止教育)の在り方を改善していくことが、生徒指導上の諸課題の未然防止や再発防止につながるため、特に、先手型の常態的・先行的(プロアクティブ)生徒指導の創意工夫が一層必要になると示されています。

 さらに、個別の課題に対する生徒指導の内容や掲載ページが大幅に増加しており、いじめや暴力行為、少年非行、児童虐待、自殺、不登校はもとより、SNSや性の多様性、発達障害、ヤングケアラーなど、新たな課題に対する生徒指導が盛り込まれています。各課題に対する支援策が構造化されており、教職員がどの段階で、何をすべきか分かりやすく記載されています。

 是非、「生徒指導提要」の改訂を機に、生徒指導の在り方について全教職員で再確認し、安全・安心な学校づくりに生かしていくことを願っております。

令和4年11月30日

中越教育事務所長 長谷川 晋

「所長室から」(令和4年11月30日) [PDFファイル/497KB]

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