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にいがた農業水利施設百選「先人の夢を叶えた留山ダム」

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0060934 更新日:2019年3月29日更新

留山ダム(とめやまだむ)

留山ダムの様子(平成25年8月15日撮影)の画像
留山ダムの様子(平成25年8月15日撮影)

 天水田(てんすいでん)という言葉をご存知でしょうか?
 中山間地域において、天水(=雨水)を用水源として耕作される水田のことをいいます。
 ダムができる以前の旧松之山町天水島・天水越周辺は、数箇所の小河川や渓流を水源とするほか、小規模なため池しかなく、大部分は天水田で、常に干ばつの被害に脅かされていました。

 留山ダムは、このような中山間地域の農地333ヘクタールを潤すために、県営かんがい排水事業 松里地区において、昭和55年に着手、昭和61年に完成しました。ダムは、堤高28.8メートル、堤長135メートル、42万立法メートルを貯水します。

 用水不足の苦労の様子は、ダムができる前にあった宝用水という池の名前にちなんで、宝用水物語として地元小学生による演劇で語り継がれています。平成21年の棚田サミットでも披露され、好評を博しました。

イワナのプールへ雪を投入(平成25年8月15日撮影)の画像
イワナのプールへ雪を投入(平成25年8月15日撮影)

イワナのつかみどり開始(平成25年8月15日撮影)の画像
イワナのつかみどり開始(平成25年8月15日撮影)

 日照り続きでも安定して用水を送る「地域の誇り留山ダム」を大切にしようと毎年8月15日にはダム祭りが開かれ、ボートの貸し出しやイワナのつかみ取りなどのイベントに多くの人が訪れます。平成15年から開催され、今年で11回目となりますが一度も中止になったことはないそうです。
 イワナのつかみ取りは、ダムの水をそのままプールに入れただけではイワナが弱ってしまうため、大厳寺高原で保存された雪を入れ、水を冷やします。真夏の雪入り冷水プールは、毎年子供たちに好評です。

松里土地改良組合の高橋さん(平成25年8月15日撮影)の画像
松里土地改良組合の高橋さん(平成25年8月15日撮影)

ダムを管理している、松里土地改良組合の高橋 主計さんにお話を伺いました。

 「現在、ゲートを修理するため水位を下げていて、通常より水が少ない状態ですが、今年は雨が多いので配水に支障はありません。場所によっては沢からの泥がたまりやすい場所もあります。そのため、年1回ダムの水を抜き、泥を取る作業を行います。
 中山間地域で営農していくのは大変です。ダムの水を流す用水路へ行く道は狭くて軽トラが通るのがやっとです。両端が側溝とがけで、危険ととなり合わせの場所もあります」

農業水利施設百選の看板(平成25年8月15日撮影)の画像
農業水利施設百選の看板(平成25年8月15日撮影)

 駐車場には、留山ダムがにいがた農業水利施設百選に選ばれことを祝い、看板が立てられました。ダムの役割やダム祭りについて説明されており、留山ダムを大切にしようという気持ちが伝わってきます。

留守原の棚田(平成25年8月15日撮影)の画像
留守原の棚田(平成25年8月15日撮影)

 右の写真は、松之山を代表する棚田の一つ「留守原の棚田」です。日本の原風景といえる美しい風景は、棚田の撮影スポットとして有名です。留山ダムから5キロも離れていますが、ダムの水が山腹を縫うよう流れ、この棚田を潤しています。
 先人の夢を叶えた留山ダムは、地域の人々の生活だけでなく、このような美しい風景も支えています。

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