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【十日町】感染症の発生動向をお知らせします(9月16日更新)
十日町保健所管内の今週(9月1日~9月7日)のトピックス
◆管内の伝染性紅斑定点当たり報告数が警報基準を超えました
○管内の定点当たり報告数が前週の1.00から3.00に増加し、再び国の警報基準(定点当たり報告数2.00以上)を超えました。全県では2.53から2.27と横ばいで経過しており、警報発令中です。
○伝染性紅斑は、頬に出現する紅斑を特徴とする、小児を中心に流行する疾患です。両頬がりんごのように赤くなることから「りんご病」と呼ばれることもあります。
○原因は、ヒトパルボウイルスB19による感染症です。患者の咳やくしゃみにより排泄されるウイルスから感染します。
○10~20 日の潜伏期間後に、頬に紅い発疹が現れます。続いて、手・足に網目状と表現される発疹がみられます。これらの発疹は1 週間前後で消失しますが、なかには長引いたり、一度消失した発疹が短期間のうちに再び出現したりすることもあります。
○患者の咳やくしゃみなどのしぶきに触れることによって感染(飛沫・接触感染)する感染症のため、流水とせっけんによる手洗い、うがいやマスクの着用を心がけましょう。
◆マイコプラズマ肺炎にご注意ください
○管内の定点当たり報告数は前週の5.00から3.00に減少しました。全県でも1.15から0.77に減少しています。
〇マイコプラズマ肺炎とは頑固なせきをともなう呼吸器感染症で、「肺炎マイコプラズマ( Mycoplasma pneumoniae )」という細菌に感染することによって起こる呼吸器感染症です。小児や若い人の肺炎の原因として、比較的多いものの一つです。マイコプラズマ肺炎は1年を通じてみられ、秋冬に増加する傾向があります。
〇主な症状は、発熱やだるさ、頭痛、せきなどの症状がみられます(せきは少し遅れて始まることもあります)。せきは熱が下がった後も長期にわたって(3~4週間)続くのが特徴です。肺炎マイコプラズマに感染した人の多くは気管支炎で済み、軽い症状が続きますが、一部の人は肺炎となったり、重症化したりすることもあります。また、中耳炎、胸膜炎、心筋炎、髄膜炎などの合併症を併発する症例も報告されています。
〇感染経路は、飛沫感染や接触感染です。家庭のほか、学校などの施設内でも感染の伝播がみられます。感染してから発症するまでの潜伏期間は長く、2~3週間くらいとされています。
◆百日咳にご注意ください
○全県・全国で感染者が多い状況が続いています。管内でも百日咳の届出が複数出ており、増加傾向にあります。
○百日咳は、百日咳菌という病原菌によって起こされる感染症です。患者の咳やくしゃみなどのしぶきに含まれる病原菌によって感染します(飛沫感染)。
○7~10日程度の潜伏期間を経て、風邪症状がみられ、徐々に咳が強くなっていきます(カタル期:約2週間)。その後、短い咳が連続的に起こり、咳の最後に大きく息を吸い込み、痰を出しておさまるという症状を繰り返します(痙咳期:約2~3週間)。激しい咳は徐々におさまりますが、時折、発作性の咳がみられます(回復期:2~3週間)。
○有効な予防法は予防接種であり、予防接種法に基づく定期接種が乳幼児期に行われています。なお、百日咳ワクチンの免疫効果は4~12年で減弱するため、最終接種後、時間経過とともに既接種者も発症することがあります。
○飛沫感染予防に、手洗い、うがい、咳エチケットを心がけましょう。
○軽症でも菌の排出はあるため、予防接種をしていない新生児・乳児がいる場合は、感染に対する注意が必要です。
○第二種感染症に定められており、特有の咳が消失するまで又は5日間の適正な抗菌薬療法が終了するまで出席停止となります。ただし、病状により学校医その他の医師が感染のおそれがないと認めたときには、この限りではありません。
◆新型コロナウイルス感染症が流行しています
〇管内の定点当たり報告数は前週の14.33から16.67に増加しました。全県では前週の11.69から11.58と横ばいで推移しています。
※29週分新型コロナ報告数は一部データ欠損があります。ご承知おきください。
〇新型コロナウイルス感染症は、咳や飛沫を介して感染し、呼吸器症状、高熱、下痢、味覚障害等、様々な症状があらわれる感染症です。高齢者や心臓病、糖尿病等の基礎疾患のある人では、重症の肺炎を引き起こすことがあります。
〇感染の拡大を防ぐため、体調不良の時は外出を控える、マスクや手洗いなど基本的な感染対策をお願いします。
新潟県内の今週のトピックス
今週のトピックス
◆新型コロナウイルス感染症に注意しましょう。
○感染対策としては、換気、手洗い・手指消毒、マスク着用が有効です。
○体調不良時は療養を優先し、多くの人が集まる会合への出席等を控えましょう。
◆百日咳に注意しましょう。
○患者の咳やくしゃみなどのしぶきに含まれる病原菌によって感染します(飛沫感染)。
○飛沫感染予防のため、手洗い、うがい、咳エチケットを心掛けましょう。
◆伝染性紅斑の定点当たりの報告数が国の示す警報基準を超えています。
○基本的な感染対策(手洗い、咳エチケット等)を心掛けましょう。アルコール消毒が効きにくいため、流水や石けんでこまめに手を洗い、自分専用のタオルで手を拭きましょう。
定点当たりの感染症の発生動向(週ごと)
- 新潟県内の発生動向はこちら
- 日本国内の発生動向はこちら<外部リンク>
感染症発生動向調査について
感染症発生動向調査は、感染症発生動向を迅速に把握してその拡大とまん延を防ぐことを目的に、国(厚生労働省)が昭和56年から全国で行っているものです。
十日町管内の小児科定点医療機関、インフルエンザ定点医療機関、新型コロナウイルス感染症定点医療機関、基幹定点医療機関が、医療機関→保健所→県庁→厚生労働省国立感染症研究所へ報告することとなっています。
そして、過去の患者発生状況をもとに基準を設け、保健所ごとにその基準値を超えると注意報や警報が発令される仕組みとなっています。