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【相談事例】 賃貸住宅退去時のトラブル

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0059315 更新日:2019年3月29日更新

相談内容

消費者庁イラスト集よりの画像
消費者庁イラスト集より

相談事例1

 賃貸アパートを退去したが、退去時に貸主と一緒に部屋の状態の確認をしなかった。後日、貸主から敷金を超える高額な修繕費用の請求書が届いた。請求金額の全額を払うことには納得できない。対処は。

相談事例2

 賃貸マンションでペットを飼っていた。退去するに当たり、貸主から、ペットの臭いを理由に、消臭消毒代と部屋全体の畳の表替代を請求された。「ペット可」のマンションであったが、支払いの義務はあるか。

 賃貸住宅を退去する際、貸主は借主に原状回復にかかる費用(修繕費用)を請求することができます。「原状回復」とは、借主の故意や不注意などにより生じた損耗やキズ等を元の状態に戻すことであり、入居時の状態に戻すことではありません。経年変化や自然損耗、通常使用による変化は、支払っている家賃に含まれていると考えられます。
 原状回復費用の算定方法やトラブルについては、国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」(以下ガイドライン)が参考になります。ガイドラインは、現時点で妥当と考えらえる一般的な基準をまとめたものです。建物の経過年数を考慮することとし、借主が負担すべき費用であったとしても、経過年数によって負担を軽減する考え方が導入されています。ガイドラインを基準にして、貸主と話し合いましょう。

アドバイス

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消費者庁イラスト集より

 貸主から原状回復費用の請求を受けても、借主にすべての費用の支払い義務が生じるわけではありません。借主が負担する修繕費用なのかを証明する責任は、貸主にあるとされています。また退去時に部屋の状況を確認することは、後に請求を受けた時の貸主との話し合いの際に重要になりますので、貸主と一緒に部屋の状況を確認するようにしましょう。

 相談事例1の相談者には、貸主に修繕費の内訳がわかる明細書等を発行してもらうよう伝えました。ガイドラインを参考にして明細書等の内容を検証し、納得できない点があれば、その内容を文書にして貸主に通知し、話し合うよう助言しました。
 話し合いでの解決が難しい時は、裁判所における民事調停や少額訴訟手続きを利用する方法があります。

 相談事例2ですが、ペットや喫煙による臭いや汚れ等は、原状回復費用を請求されることがあります。相談者には、経年変化や通常の使用による損耗であれば借主に原状回復の義務はありませんが、ペットによる臭い等は通常の使用による損耗とは判断されない場合があることを伝えました。貸主と減額に向けて話し合うとともに、無料法律相談を受けるよう助言しました。

トラブルに遭わないために

  • 入退去時には、貸主借主双方が一緒に部屋の状態を確認し、メモや写真などで記録しておきましょう。
  • 賃貸借契約を締結すると、原則、契約書の記載内容に基づいて取り扱われることになります。必ず契約書を読み、不明な点があれば説明してもらうようにしましょう。

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