本文
佐渡農業普及指導センターの令和3年度普及活動紹介
令和3年度の1年間取り組んできた普及指導センターの活動実績を紹介します。
佐渡農業を担う人材の確保・育成(人づくり)
新規就農者の確保・育成
新規就農者の育成・定着に向けた支援
新規就農者・就業者や農業を目指す若者が一堂に会し、佐渡若手農業者交流会を開催しました。参加者は先輩農業者の取り組みを学び、自家経営等の参考とするとともに、参加者同士で就農や佐渡での暮らしについて意見交換することで、交流を深めることができました。
新規就農者等の早期経営安定に向けた支援
関係機関と連携し、新規就農者の就農計画作成を支援するとともに就農後の経営状況を確認し、計画目標の達成に向け、個別の課題解決を支援しました。
就農啓発活動の実施
高校生が佐渡の農業に関心を持ち、将来の職業の選択肢の一つとして考えてもらうためのきっかけづくりとして職業紹介を開催し、農業及び関連産業への就業等に関する情報提供を行いました。
新規就農者等への技術習得支援
新規就農者等栽培経験の浅い農業者を対象に、園芸参入塾アスパラガスコースを開催しました。技術力の高い農業者の方を塾長とし、現地での指導及び座学により、基礎技術の理解を深めることができました。
農村青少年プロジェクト活動等の実践指導
4Hクラブサークル「島っ子」の定例会において、活動内容や次年度の活動計画作成等への助言を行い、また、「耕作放棄地の有効活用」をテーマとしたプロジェクト活動を支援し、自主的活動を助長しました。
各種活動への参加意欲が高まり、新規に4人が入会しました。
多様な人材が活躍できる経営体の育成
農福連携に向けた取組
お試し農福の実施に向け、農業者と2福祉事業所関係者との現地での作業確認や意見交換会を行いました。
また、1事業所とお試し農福を実施し、通所者の方から実際に柿のせん定作業に取り組んでいただき、「楽しく作業できた」とのことでした。
担い手が将来展望を持って経営できる農業の展開(ものづくり)
新たな米政策に対応した新潟米等の水田農業の確立
コシヒカリの品質向上に向けた栽培指導
佐渡米1等級比率90%以上を目標に関係機関と連携し、佐渡米未来プロジェクトサポーター協力の下に地域模範となる展示ほを設置するとともに、稲作速報や緊急情報の発出、時期別の技術指導などに取り組みました。
コシヒカリの1等級比率は89.6%と昨年を大きく上回りました。
新之助研究会運営への支援
新之助ブランドの確立に取り組む2つの研究会に対し、研修会の開催支援や生育状況の情報提供、運営に関する助言等を行いました。
水稲栽培経験の浅い農業者への技術指導
「佐渡米」ステップアップ講座を開催し、稲作の生理生態や基礎技術への理解が深まりました。
高品質大豆の安定生産指導
大豆種子生産者や大豆栽培組織等に栽培指導を行いました。特に昨年大被害をもたらしたカメムシ類の予察に基づいた防除等により品質は確保されました。
非主食用米の栽培指導
非主食用米への作付け転換に対応するため、飼料用米「新潟次郎」を作付けする法人に対し、実証ほを通した施肥改善技術の指導を行い、収量の向上が図られました。
需要に応えられる園芸生産の拡大
ル レクチエの所得確保に向けた支援
羽茂ル レクチエ生産組合を対象に、ほ場巡回指導会を年3回開催しました。全組合員のほ場を回り、時期ごとの管理状況の確認・栽培技術指導・意見交換を行ったことで、適期管理による品質向上や増収に向けて各組合員の意識が高まりました。
柿部会プロジェクト活動支援
各地区でモデル園地を設定し、指導会等で活用しています。
JA佐渡中央選果場管内かき産地は生産者や栽培面積が減少傾向ですが、初心者講座の開催や新改植推進、指導員(高い技術を持った農業者)と連携した指導会等を行い、産地の維持発展を図っています。
アスパラガスの産地育成に向けた活動支援
JA佐渡管内の栽培者及び新規栽培意向者を対象に研修会を開催しました。アスパラガス研修園地を会場に産地の現状、栽培方法、簡易雨よけ栽培等について説明を行った後は、実際に栽培ほ場で農家との活発な意見交換が行われました。
みかんの栽培技術向上及び生産拡大支援
みかんの栽培技術向上に向けて、JA佐渡管内の栽培者及び新規栽培意向者を対象に指導会を開催しました。また、生産拡大に向けて、栽培指針の作成や島内観光業者と連携した販売支援を実施しました。
羽茂地区園芸振興に向けた取組支援
羽茂地区園芸振興に向け、南佐渡アスパラガス生産組合に対し、年3回ほ場巡回して各生産者の生育状況を確認するとともに、今後の栽培管理について指導を行うことで、生産者の収量・品質向上に向けた意識が高まりました。
盆出荷キクの栽培技術指導
盆・彼岸の需要期出荷に向けた新品種導入を通し、栽培管理の指導を行いました。
かきのジョイント栽培等省力技術の普及
老木化した園地の改植や新植を図り、早期多収をめざしたジョイント栽培研修会を開催しました。栽培管理について未確定の部分もありますが、栽培状況や管理方法の情報交換を行っています。また、ジョイント栽培と合わせスマート機械の導入実証を行い、収量の確保と省力化を目指しています。
おけさ柿の基本的な栽培管理技術指導
南部地区では、新規就農者や栽培経験の浅い方を対象に、おけさ柿チャレンジ農業実践講座を、関係機関や特別指導員(高い技術を持った農業者)と連携して開催しました。基本的かつ重要な栽培技術について指導し、今後のおけさ柿づくりを担う農業者を育成することで、産地の維持・発展を図っています。
水田高度利用によるキャベツ栽培指導
水田高度利用による園芸生産拡大に向け、ホールクロップサイレージ(WCS)用稲後のキャベツ栽培指導会及び現地巡回を開催し、生産者の栽培技術は向上しています。また、L規格中心の出荷を目標に、は種及び定植時期の前進や早生品種の栽培検討等を行いました。
収益性の高い畜産経営の育成
優良子牛生産の増頭指導
子牛の発育改善をポイントとした飼養管理巡回を実施し、子牛の体高や体重を発育基準と比較して、今後の個体の管理対策の検討を行いました。
高千家畜市場への上場頭数は、増加してきています。
高品質生乳の安定生産指導
巡回指導により、暑熱への注意喚起を行い、夏場の乳量・乳質は維持されました。また、飼料分析結果及び血液診断結果を基に適切な栄養バランスになるよう飼料給与支援を行いました。
稲WCSの安定生産指導
WCS栽培マニュアルに基づいた耕種農家への栽培指導やコントラクターに対する収穫調整の指導を行うとともに、稲WCSの栄養価及び発酵品質状況確認のための飼料成分分析・評価を行いました。
発酵品質が良く、牛の嗜好性が良好なサイレージが生産されました。
地域農業の維持と農村の振興(仕組みづくり)
営農継続に向けた地域の体制づくり支援
集落での話合いを持ち、新規就農者の確保や地域営農の継続、地域住民の生活などの課題を含め、農村地域の課題について解決の方向性やそのための取組について検討しました。