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【佐渡】レジオネラ情報
レジオネラ菌について
- 自然界(水中、地中)に普通に存在し、アメーバの中で増殖します。アメーバはバイオフィルムの中に多く、バイオフィルムは温水を貯めるところにできやすいので、レジオネラ菌は温水を貯めるところにできやすい(特に循環系にできやすい)と言えます。
- アメーバの中のレジオネラ菌には薬剤が効きにくいということがわかっています。
- 管理のポイント
- 循環湯の吐出口は浴槽の水面下に設ける。
- 「打たせ湯」及びシャワーに循環湯は使用しない
- 「気泡湯」「ジェット風呂」等を設置する浴槽は、毎日浴槽水を交換すべきである
- オーバーフロー回収は認めない
レジオネラ対策のページ(厚生労働省HP)<外部リンク>
レジオネラ症について
- レジオネラ症には大きく分けて2つのタイプがあります。
- レジオネラ肺炎:高熱、筋肉痛、下痢、意識障害等の症状を伴い進行が速く劇症化しやすい
- ポンティアック熱:症状はインフルエンザのような熱性疾患(倦怠感、発熱、悪寒等)。
- レジオネラ症はレジオネラ属菌を含んだエアロゾル(水滴)を吸入することによって起こるので、この発生を適切に防止する必要があります。
レジオネラ属菌の浴槽水への侵入抑制措置
- 気泡発生装置等の空気取り入れは砂塵の侵入を防止する設備を設ける
- 熱交換機のピンホールチェックの実施
- 貯水タンクの点検と貯水温度60℃以上の維持
- 露天風呂の常時溢水、浮遊物の除去及び露天風呂の湯と内湯の混合防止対策の実施
- ろ過装置の能力維持
※ピンホールチェック:小さい穴がないかどうかのチェック
レジオネラ症患者発生時の対応
- 速やかに佐渡保健所生活衛生課に連絡をし、指示を受ける
- 浴槽、ろ過装置等の清掃消毒は現状維持のため行わない
- 速やかに入浴施設の使用は中止する(自粛する)
まとめ(レジオネラ症予防4原則)
1.レジオネラを増殖させない
(=バイオフィルムを生成させない)
- 浴槽の清掃消毒は、毎日完全換水型のものは毎日清掃、消毒する。
連日使用型のものは、週1回以上完全換水を行い、清掃、消毒する。 - ろ過装置及び循環配管を週1回以上洗浄し、消毒する。(例:10~50mg/リットル程度の高濃度塩素を数時間循環させる。)
- ろ材に多孔質の石を用いたものは特に十分な消毒が必要。
- 循環配管は年1回以上バイオフィルムを点検し、除去・消毒する。
- 集毛器は毎日清掃し、定期的に消毒する。
- 温泉貯湯タンクは、年1回以上清掃・消毒する。
貯湯温度を60℃以上に保持する。 - あふれた浴槽水を回収・再利用しない。
2.レジオネラを殺す
(=浴槽水を消毒する)
- 浴槽水の消毒には原則として塩素系薬剤を使用する。 遊離残留塩素濃度を通常0.4mg/リットルに保つこと(水質が中性の場合)
- 浴槽水が循環ろ過装置に入る直前に塩素剤を注入(投入)する。
- 泉質により塩素消毒が効きにくい(pHが高い)場合は、塩素濃度保持時間を長くするか、残留塩素濃度を高くする。もしくはオゾン殺菌、紫外線殺菌、銀イオン、光触媒等により消毒し、塩素消毒を併用する。
- 炭は使用しない。
- 消毒に影響を及ぼす入浴剤は使用しない。
- 塩素注入機を毎日点検する。(塩素剤の補給、ノズル詰まりの有無など)
- 入浴者が許容範囲を超えないこと。
3.レジオネラを混入させない
(=外からの汚染を防ぐ)
- ある程度、混入を防ぐことはできるが、完全に防ぐのは困難。
- 温泉貯湯タンクは外気と遮断する。
- 気泡発生装置の空気取入口から砂塵が混入しないように目の細かい網等をつける。
- 浴槽水は常に満杯状態とし、あふれさせ、浮遊物を除去する。(特に露天風呂) 露天風呂は常にレジオネラ汚染の危険にさらされている。
- 露天風呂の湯が配管を通じて内湯に混じらないようにする。
- 浴槽に入る前に石けん等を用いて身体をよく洗うよう入浴者に注意喚起する。
4.エアゾルを発生させない
(=直径5μm以下の細かい水滴を発生させない)
- 循環湯の吐出口は浴槽の水面下に設ける。
- 打たせ湯・シャワーに循環浴槽水を使用しない。
- 気泡発生装置を使用する場合は、原則として毎日浴槽水を交換する。