ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 トップページ > 分類でさがす > しごと・産業 > 農林水産業 > 小麦の収量を高める越冬前施肥法

本文

小麦の収量を高める越冬前施肥法

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0295270 更新日:2020年7月1日更新

小麦の越冬前施肥体系において、基肥を窒素成分で4kg/10a 施用し、播種2週間後頃の苗立期に窒素成分で2~4kg/10a 追肥すると、慣行の施肥体系より収量が増加する。

 

小麦の収量を高める越冬前施肥法 [PDFファイル/201KB]

 

50

新潟県で栽培されている小麦の収量を高めるための、新しい施肥体系について紹介します。

 

51

現行の小麦施肥体系ではH26、27、30年産のように、目標越冬前茎数を確保できない年次があります。そのような年次は目標成熟期穂数を確保することも難しく、目標収量を確保できない場合が多いです。この要因として、小麦の越冬前施肥は基肥のみを窒素成分で6kg/10a 施用されていますが、基肥の利用率は低く、秋期の肥料不足等によって、越冬前生育の確保が難しい可能性があります。

52

そこで本成果では、パン用小麦の越冬前施肥において適正な施肥体系及び施肥量を明らかにし、小麦の収量向上を図りました。

53

小麦の新しい越冬前施肥体系として、10アール当たり窒素成分を基肥に4kg施用します。そして小麦の出芽がそろう播種2週間後頃に、同成分を2~4kg施用します。なお、播種2週間後頃の施肥については、以下「苗立期追肥」として表記いたします。

54

基肥-苗立期追肥体系を実施すると、目標越冬前茎数を確保しやすくなります。越冬前の葉色も高くなり、栄養状態が良好となります。

55

基肥-苗立期追肥体系により、増収効果が得られます。品質評価基準項目となる容積重やタンパク質含有率にも悪い影響を与えることはありませんでした。しかし、基肥-苗立期追肥の窒素成分が4-4kg/10aの区では、穂数が多くなり千粒重が低下する影響がみられました。小麦の穂数が多くなりやすい圃場では本技術によって細麦粒が発生する場合が懸念されるため、そのような圃場では苗立期追肥量を2~4kg/10aの範囲内で少なめに施用する必要があります。

56

基肥で用いられる「化成肥料」に対して、苗立期追肥では「単肥」を用いるため、基肥-苗立期追肥体系では肥料費と追肥作業労賃に係る合計経費が慣行体系以下となります。収益も増収分増えるため、所得確保が可能となります。

57

基肥-苗立期追肥体系は、苗立期追肥時期が大豆収穫作業と重なる場合があり、適期に追肥を行う時間が確保できない可能性があります。また、追肥作業は背負い動散で行う場合が多く、小麦を大規模面積で行っている生産者にとっては重労働となります。そのため、苗立期追肥作業を伴った新しい施肥体系は、茎数が確保できず収量が得られないような圃場を選んで行うことを考慮していただく必要があるかもしれません。

Adobe Reader<外部リンク>

PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe社が提供するAdobe Readerが必要です。
Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先からダウンロードしてください。(無料)

<外部リンク> 県公式SNS一覧へ