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「新之助」の全量基肥肥料栽培における高品質米生産

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0294849 更新日:2020年7月1日更新

「新之助」の全量基肥肥料栽培では、分施体系と同等量の総窒素量を施用することで、分施体系と同等の収量が得られ、食味・品質基準を満たすことができる。

 

研究成果情報「新之助」の全量基肥肥料栽培における高品質米生産 [PDFファイル/253KB]

 

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平成30年産「新之助」の県全体の生産状況は、作付け面積約2100ha(前年の約2倍)、栽培者1466人(前年300人増加)、検査数量9973トンと増加しています。
「新之助」の食味・品質基準の適合率は約94%となっています。

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現在の栽培指針では、「全量基肥肥料(基肥一発肥料)及び有機100%肥料は、生育制御が困難となるため使用しない」となっています。
「新之助」の安定生産や省力化、大区画ほ場等に対応できる全量基肥肥料栽培について検討し、使用可能なことが確かめられたので紹介します。

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耕種概要です。施肥:4月21日、耕起:4月25日、代かき:5月12日、移植:5月17日、穂肥1:7月23日、穂肥2:8月1日、現地2か所(長岡・見附)で2か年(H29 ・H30 )調査しました。
試験は、全量基肥区と分施区で、生育過程、収量構成要素、品質を比較しました。
全量基肥区については、新之助を含む晩生品種に適する化学肥料である「晩生用高窒素一発元肥」と、中生品種で実績を有する化学肥料「スーパー元肥2号」及び特栽米用の有機質50%入り「越後の輝き有機50スーパー元肥」を用いました。
シグモイド型被覆尿素が穂肥相当にあたり、化成100%の穂肥窒素は63%、化成100%晩生は43%、有機質50%は34%でした。
これらの肥料を総窒素5kg/10aとしました。
分施区については、有機質50%入り肥料を基肥3kg、穂肥1kg×2回としました。

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全量基肥施肥の収量に統計的有意差はなく、目標収量540kg/10aを確保しました。

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新之助の区分集荷・販売実施ガイドラインにおいて、食味・品質基準として整粒歩合および玄米タンパク質含有率の基準値が定められています。
全量基肥施肥の整粒歩合は70%以上であり、食味・品質基準を満たしています。

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全量基肥施肥の玄米タンパク質含有率は6.3%以下、分施と同等で、食味・品質基準を満たしています。

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全量基肥施肥の葉色の推移です。
最高分げつ期:7月1日、幼穂形成期:7月18日、出穂期:8月12日
最高分げつ期の葉色は分施区よりやや濃く、幼穂形成期から葉色が低下し出穂期10日前に分施と同等となりました。
出穂期から出穂期20日後の全量基肥施肥の葉色は、分施よりやや淡く推移します。
全量基肥肥料の一般的な葉色の特徴を示しており、分施に比べ、出穂期10日前から出穂期20日後の葉色は同等からやや淡く推移するが、肥効は保たれています。

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全量基肥施肥の草丈の推移です。
結果は分施区と同等でした。
新之助栽培指針の理想生育相における草丈・稈長は、最高分げつ期で40~44cm、幼穂形成期で62~68cm、稈長は75cmでした。
化成100%晩生では、最高分げつ期で41cm、幼穂形成期で68cmとなり、おおむね理想生育相通りとなりました。
一方、稈長は81本とやや長い結果となりました。

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全量基肥施肥の茎数の推移です。
分施区と同等~やや多となりました。
新之助栽培指針の理想生育相における茎数・穂数は、最高分げつ期で600~650本、幼穂形成期で580~630本、穂数400本でした。
化成100%晩生では、最高分げつ期で661本、幼穂形成期で635本となり、やや多めに推移しました。
一方、穂数は375本とやや少ない結果となりました。

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全量基肥は収量、整粒歩合、玄米タンパク質含有率は分施と同等となりました。
葉色は、最高分げつ期ではやや濃く、出穂期~出穂20日後ではやや淡く推移しました。
草丈は同等、茎数は同等からやや多い結果となりました。
以上から、全量基肥肥料栽培が実用可能なことが確かめられ、新之助の省力・安定生産技術が確立されました。

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1 全層施肥は、分施体系と同等の総窒素量とします(現地試験の結果から)。
2 側条施肥の場合、一般的に肥料の利用率が高くなるので、全層施肥に比べて窒素量を1~2割減肥します。
3 幼穂形成期以降、葉色が低下しても、その後回復するので、原則、窒素の追肥は控えます。
4 化成の全量基肥肥料は、茎数が増加しやすいので、目標穂数の80%程度を確保したら直ちに中干しを開始します。

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