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2 コシヒカリBLの開発状況と特性

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0055755 更新日:2019年8月30日更新

(1)コシヒカリBL品種の育成方法


 従来コシヒカリを母に、いもち病抵抗性品種を父として1度交配し、その子供に従来コシヒカリを繰り返し(5回~6回)交配して育成しました。 生育、外観、品質、食味などは従来コシヒカリと同等です。

コシヒカリ新潟Bl1号の育成方法

コシヒカリ新潟BL1号の育成方法(連続戻し交配)

  • BL1号~6号及びBL9号~13号は品種登録済み。
  • BL9号、10号は、これまで開発したBL8号を母に、BL1号、BL2号を父としてそれぞれ交配し、開発しました。同様に、BL11号と BL12号は、BL7号を母に、BL2号、BL5号を父として交配し、開発しました。

 

コシヒカリ新潟Bl10号の育成方法の画像

(2)コシヒカリBLの品種構成計画

  • コシヒカリBLは、多数のBL品種(BL1号~6号、BL9号~13号)のうち4品種を混合して栽培されています。
    これは、異なるいもち病抵抗性を持つ複数のBL品種を混合して栽培することにより、BLを侵す新たないもち病菌レースの出現を抑制し、発病抑制効果を安定して維持するための仕組み(マルチライン)です。
  • ただし、同じ品種構成を長く続けると、その品種に感染する新たないもち病菌レース(菌の系統)が現れやすくなるため、2~3年程度で品種を入れ替える必要があります。このため、県内のいもち病菌レースの分布状況を調査しながら、計画的に品種構成を変えていくこととしています。
  • 令和5年産のコシヒカリBLは、BL1号、BL2号、BL4号、BL13号の計4品種を混合して栽培されます。

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(3)コシヒカリ新潟BL品種の概要

  1. 特記すべき特徴
    〔長所〕いもち病真性抵抗性以外の品種特性は従来の「コシヒカリ」と同じである
    〔短所〕従来の「コシヒカリ」同様、長稈で倒伏しやすい
  2. コシヒカリ新潟BL1~4号、10、11、13号の特性

    特性一覧(PDF形式 128キロバイト)

(4)コシヒカリBLのいもち病防除農薬削減について

(1) コシヒカリBL導入による農薬使用量の削減

 コシヒカリBL導入により、農薬使用回数(成分回数)は、慣行防除に比べ、約25%削減可能です。

コシヒカリBL導入による農薬使用回数削減の試算例

防除時期 削減可能な農薬例(成分数) 成分回数
出穂前~出穂期直前 ブラシン (殺菌剤2) 2回
穂ぞろい期まで カスラブサイド(殺菌剤2) 2回
県慣行防除における農薬使用回数(成分回数):18回
農薬使用回数(成分回数)削減率 = (2+2)/18×100 = 約25%

※いもち病多発生地域を除く、平場の試算例

(2) コシヒカリBLの混植によるいもち病発病抑制効果

 コシヒカリBLは、従来のコシヒカリに比べ、いもち病の発病度が低くなっています。
 平成10年度、平成12年度ともに、抵抗性品種の混合率が高いほど、葉いもち・穂いもちの発病度が低くなっています。
 (現行のコシヒカリBL種子の抵抗性系統混合率は、70%)

Bl混植による発病抑制効果の画像

(3) コシヒカリBL実証ほの葉いもち、穂いもちの発病状況(平成15年度、15箇所)

 冷害年であった平成15年度において、コシヒカリBLは葉いもち、穂いもち共に発病株率、発病度は従来コシヒカリと比較して低くなりました。
 県下15箇所の実証の結果、コシヒカリBLのいもち病に対する抑制効果が十分に発揮されました。

Bl実証ほでのいもち病の発生状況の画像

(4) 葉いもち、穂いもちの発生状況

 コシヒカリBLを導入した平成17年度は葉いもち、穂いもち共に発生面積率が低くなっています。

葉いもち・穂いもちの発生面積率の推移の画像

参考資料:いもち病の程度別発生面積(PDF形式 27キロバイト)

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