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ニシキゴイの高水温飼育による多回産卵技術

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0053948 更新日:2019年3月29日更新

要約

 産卵後の親魚を26℃の高水温で6週間飼育し、その後15℃の低水温処理を行うことにより、2回目の産卵を誘起できる。2回目の産卵の可否を判断する簡易的な指標として、体重増加の推移パタンが利用可能であると考えられる。

背景・ねらい

 新潟県中越地震により、ニシキゴイ養殖池が崩壊し、多くの優良なニシキゴイの親魚が死亡した。品質の高いニシキゴイを大量生産するには、残された親魚の高度利用が必要となった。そこで、飼育水温を人工的に制御し、親魚の成熟状況を解析することにより、1年に複数回の採卵が可能となる飼育管理技術の開発を行った。

成果の内容・特徴

  1. 通常の繁殖期に産卵した雌親魚を26℃で42~45日間飼育し、15℃の低水温処理を行うことにより、繁殖期が終わった8月中旬に2回目の産卵を誘起することができた(図1)。
  2. 2回目の産卵を行った個体では、成熟ホルモンであるエストラジオール-17β(E2)の血中濃度が1回目の産卵後も5週間程度3ng/ml以上を持続し、その後、濃度が低下した(図2)。
  3. 2回目の産卵を行った個体は、1回目の産卵より2週間後から体重が増加傾向を示し、1回目の産卵の1週間後における体重を基準にした増重率が約8%になった(図2)。
  4. 2回目の産卵の可否を判断する簡易的な指標として、体重増加の推移パタンが利用可能であると考えられた(表1)。

成果の活用面・留意点

  1. 雌親魚の最終成熟を促進し、産卵可能な状態にするには、排精可能な雄個体と同居飼育する必要がある。
  2. E2濃度の測定には、専門の研究機器が必要となるが、体重の8%程度の増加が簡易的な指標として使用できる。

具体的データ

具体的データの画像1
具体的データの画像2

その他

研究課題名:ニシキゴイの高密度・多回生産技術の開発
 予算区分:公募
 研究期間:平成17~19年度
発表論文等:なし

内水面水産試験場 養殖課
Tel 0258-22-2102
Fax 0258-22-3398

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